VAIO S13が実現する2020年の働き方。
「セキュリティ」と「働き方改革」を
見据えた新時代のシンクライアント環境。
株式会社JSOL
品質・生産性改革部 情報システムチーム
シニアスペシャリスト
早川 陽一郎
株式会社JSOL
基盤サービスビジネス事業部
認定プロフェッショナル ITアーキテクト
稲邑 茂
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック。世界中が注目する祭典の開催を歓迎する一方で、混雑の影響によって社員の通勤や物流などがいつも通り行えるのか、不安を募らせている企業も少なくありません。そうしたなか、ITのプロフェッショナル集団であるJSOLが2020年を見据えて取り組んだのが、新たなシンクライアント環境構築による「高いセキュリティ」と「働き方改革」の両立。支えたのは、“何もできないデバイス”を実現したVAIO S13でした。
キーワードは
2020年を見据えたシンクライアント
ICTコンサルティングからシステム構築・アウトソーシングまで、最新技術を用いたICTコーディネーターとして知られる株式会社JSOL。約5年前から、VMware Horizonを用いた仮想デスクトップ環境と、Windows Embedded OSによる端末でシンクライアント化を実現していた同社は、従来の環境をさらに大きく前進させようしていました。
キーワードは2020年。
会社としてさまざまな働き方改革を進めるなかで、晴海にオフィスを持つJSOLは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの期間に都心への通勤が制限されても働くことのできる環境を実現することも視野に、2018年春に仮想デスクトップ環境と端末を刷新。新たなシンクライアント環境を構築しました。
中心となってプロジェクトを進めたのは、品質・生産性改革部 情報システムチームの早川陽一郎さん。
「Windows XPからWindows 7にアップデートするにあたり、社内のOA用PCの大部分をシンクライアント化したのが5年前でした。当時はサーバー上の仮想デスクトップとシンクライアント端末で本当に仕事ができるのかという疑問の声もありましたが、これまでと変わらず業務ができたことや、シンクライアント化によって高いセキュリティを確保できることは、この5年間で社員全員が感じてきました」(早川)
いち早く社内PCの多くをシンクライアント化したことで、今ではそれが当たり前になっているという同社。基盤サービスビジネス事業部の稲邑茂さんは、今回の刷新は従来の仮想デスクトップ+シンクライアント環境をさらに改革すると同時に、今後、お客様へ提案するモデルとなる側面もあったと振り返ります。
「私は、早川をはじめ、社内のリクエストに対していかにセキュリティを担保して実現するかなど、主に仮想環境側の業務を担当しました。今回の刷新は、主に5年間使用して老朽化した仮想サーバーやシンクライアント端末の入れ替えや、新しいOSに対応するためでしたが、同時に従来はできなかった、シンクライアント端末でWeb会議を行えるようにするなど、2020年に向けた新しい働き方を実現するための導入でもありました。また、自分たちでシンクライアント環境を新たに構築して、これまでにない働き方やセキュリティレベルを実現することで、私たち自身がお客様へ提案するモデルケースとなることも目標のひとつでした」(稲邑)
新たなシンクライアント構築に必要なもの、最適なものは何なのか? 模索を続ける早川さんたちにとって大きな課題となっていたのが、5年前のシンクライアント化で反省点となったデバイスの選定でした。
「これまでシンクライアント端末として使っていたのは、市販のUltrabookをコスト削減のためにカメラを外してもらうなど、ハードウェアをかなりカスタマイズしたノートPCでした。しかし、導入時は発注台数も多いのでメーカーに対応していただけるのですが、その後、故障などで追加発注するときに増産が難しくなってしまい、調達に苦労したという反省がありました。ですから、今回のリプレイスでは、市販されているモデルで、かつ弊社のシンクライアント端末としての仕様に応えてくれるデバイス探しが大きなカギでした」
求めたのは「何もできないデバイス」
同社がシンクライアント端末に求めた最大の条件。それは「何もできないデバイス」であること。ハードとしてはカスタマイズが不要なPCでありながら、JSOLが求めるシンクライアント端末として機能を制限したOSにキッティングできることが不可欠でした。
そうして多くの候補のなかから選ばれたのがWindows 10 IoT Enterpriseを採用したVAIO S13。Windows 10 IoT Enterpriseは、同社が従来使用していたWindows Embedded OSの後継となる存在で、カスタマイズによって機能の一部を制限することができるのが特徴です。
「私たちがシンクライアント端末として絶対に欠かせない要件はハードとソフトの面、2つありました。1つはビジネスシーンで使えるデバイスとしての高い品質です。5年間は使い続けられるタフな端末であることはもちろん、VGAやLANポートなどのインターフェースが充実しており、ハブやドックなどを持たずに、PC1台あれば、すべての業務が行えること。もう1つが、セキュリティを担保するために、弊社のサーバー上にある仮想デスクトップにつながること以外は何もできなくすることでした。」
JSOLのシンクライアント端末納入にあたり、VAIOでは、Windows 10 IoT Enterpriseの機能をカスタマイズしたVAIO S13を提供。マウスなどのヒューマンインターフェースデバイス以外はUSBで使えなくしたほか、プリントアウトやスクリーンショットも制限するなど、あらゆるデータを持ち込めない・保存できない、「何もできないシンクライアント端末」というJSOL仕様に、VAIO S13をキッティングしました。
「私たちは金融、公共など、非常に機密性の高い情報を扱うお客様も多いことから、セキュリティには最善の注意を払っています。そこで必要となるのが、『何もできないシンクライアント端末』でした。そうしたなか、当社の仕様にあわせた細かなキッティングと、ハードの完成度を高いレベルで実現していたのが、VAIO S13を選んだ理由です。とくにキッティングの面では、VAIOのエンジニアがこと細かに相談にのってくれましたし、すでに使っている社員からもデザインの良さや、キーボードの打ちやすさ、バッテリーの持ちなど非常に好評です。弊社が求める要求を、VAIO S13は隙なく、高いレベルで実現してくれました」(早川)
高セキュリティと運用コスト削減を実現
今回の刷新にあたり、JSOLではパートナー会社の使用する端末も含めて、OA用端末すべてをシンクライアント化。社内では無線LANに接続して仮想デスクトップを使用。社外からは支給しているスマートフォンのテザリングを用いて、VPNで仮想デスクトップに接続して、業務を行っています。今回の刷新で稲邑さんが改めて感じたのは、これまでの運用コストの大きさだったといいます。
「5年前のシンクライアント化では、まだ実機のPCも多く残っていたので、実はその運用が結構な手間になっていました。お客様からもシンクライアント化のご相談を受ける際に、いちばん大きな障壁となるのはコストです。たしかに、シンクライアント化には仮想デスクトップとシンクライアント端末を用意する必要がありますし、仮想デスクトップをスムーズに使うための太い回線も必要です。しかし、検討の際に、市販のPCを導入した際の運用コストやセキュリティの面が考慮されていないことも少なくありません。例えば、一般的なPCを業務で使うとなるとOSのアップデートやバックアップ、そしてセキュリティ対応の問題が必ず持ち上がりますが、シンクライアント化すれば、OSのアップデートやバックアップは仮想環境のサーバー側で行うだけで解決しますし、何よりシンクライアントを導入することで、高いレベルのセキュリティを担保することができます。VAIO S13で実現した『何もできないデバイス』であれば、セキュリティには余計なコストをかける必要はありません。電源を落とせば、データが初期化されますから、万が一、紛失や盗難にあっても、端末はただの箱にすぎません。たしかにシンクライアント化の導入コストは安くありませんが、運用コストやセキュリティ対応などトータルで考えれば、十分、検討に値すると思います。また、今ではMicrosoft Azureなどのクラウド上でも仮想デスクトップを利用することができるので、まずは最小構成から利用を開始するなど、仮想デスクトップを導入しやすい環境が整っています」(稲邑)
VAIO S13の導入によって、新しい時代に対応したシンクライアントを構築した同社。早川さんは今回の刷新によって、2020年の目標に向けて大きな手応えを感じています。
「私たちが5年前にOA端末のシンクライアント化を計画したのは、東日本大震災の直後でした。弊社は東日本と西日本にデータセンターを持っていたので、地震や災害があってもお客様のデータを守り続けられるモデルを作り、そのソリューションをお客様にも積極的にもご紹介してきました。そしてこれからの5年の間には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが控えています。今回、コアタイムの廃止や、サテライトオフィスの準備など、社内の規定変更と時を同じくして、仮想デスクトップの刷新や、VAIO S13を導入したことで、より柔軟な働き方ができるような体制を全社で整えました。さらに今年中には開発環境も仮想デスクトップ+シンクライアント化します。これによって、VAIO S13さえあれば、東京オリンピック・パラリンピックの期間中は会社に出社できない状況になっても業務が継続できるような環境を作る、という目標が達成できるでしょう。私は、2020年を機に日本の働き方が大きく変わるのではと思っています。会社で仕事をする人もいれば、子育てや介護をしながら家で働く人がいるのも当たり前になり、一人一人が自分らしく働ける環境をまずは自社で実現して、セキュリティや働き方で課題を抱えるお客様にも提案していきたいですね」(早川)
Windows 10 IoT Enterprise を採用したVAIO S13の導入によって、高いセキュリティレベルと2020年代の働き方に対応するシンクライアント環境を構築したJSOL。その取り組みには、多くの企業が抱える課題を解決するヒントが詰まっています。
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