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VAIO S11/S13・VAIO Pro PF/PG開発ストーリー Vol.4 開発者が語る「VAIO自慢の堅牢ボディ、その秘密」

VAIO S11/S13・VAIO Pro PF/PG開発ストーリー Vol.4

PCがどのように使われているかを知り尽くしているからこそ、本当の強さを追求できた。

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PC事業部 PC設計部
プロジェクトリーダー課
課長

巣山 剛志

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品質CS部 品質保証課
課長

海口 康洋

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PC事業部 PC設計部 メカ設計課
メカ二カルプロジェクトリーダー

曽根原 隆

外観は変わってもこれまで以上のタフさを確保

--新しいVAIO S11/13では、堅牢性向上のためにどういった工夫をされていますか?

品質保証 海口:VAIO S11/S13(およびPF/PGシリーズ)は、これまでも充分に優れた堅牢性を備えていたので、新モデルでもそれを損なうことなく受け継ぐことを目指しました。品質保証部門では、その評価と確認を行っています。先に結論を言ってしまいますが、新しいVAIO S11/S13(およびPF/PGシリーズ)でも、従来モデル同等あるいはそれ以上の堅牢性を確保できています。

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--その際、どんな点に苦労しましたか?

メカニカルプロジェクトリーダー 曽根原:新しいVAIO S11/S13(およびPF/PGシリーズ)で新たに導入されたフラットアルミパームレストには、見た目の美しさや、タイピングのしやすさなど、多くのメリットがあるのですが、ボディ剛性という点では不利な面がありました。パームレストにくぼみがあった方が、強度的には有利なのです。そこで今回は、ボトム側の強度アップを行ってこれを克服。具体的にはビスを増やすことやボトムリブを増やすことで上手にアルミパームレストをささえて剛性を上げています。

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フラットアルミパームレスト

海口:新モデルでは、セットの組み上げかたが大きく変わり、本体をひっくり返してパームレスト面に対してパーツを組み上げていく方式から、ボトム面に対してパーツを組み上げていく方式に変更されました。こうしたやり方はVAIOとして久々だったため、品質試験時、内部にセンサーを組み込み、振動などの影響をより精緻にチェックして問題のないことを確認しています。

--それを確認するために実施している品質試験についてもお話を聞かせてください。近年は多くのメーカーがこうした試験を実施していますが、VAIOの品質試験はそれらとは異なるものなのでしょうか?

海口:まずは厳しさが違います。例えば落下試験の場合、多くのメーカーは高くても75cmの高さから木の板の上に落としているのに対し、VAIOでは90cmの高さから鉄板の上に落としています。加圧試験も多くのメーカーが100kgf程度までしかしていないところ、VAIOでは150kgfまで加圧して試験しています。この際、大切なのは「実情に沿っている」こと。試験内容の数字を派手にするのが目的ではなく、VAIOが実際に晒されるストレスをテスト化せねばなりません。

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左:90cm落下試験 / 右:加圧振動試験

--どういうことでしょうか?

海口:振動試験を例に挙げると、多くのメーカーではこれを20~20kHzの範囲で行っているのですが、これでは不足です。実際にPCが晒されるのは、それよりも低い振動であることが多いからです。そこでVAIOでは振動試験の下限値を5Hzに設定し、よりリアルなテスト環境を作りあげています。

--さて、品質試験と言えば、今回は新たに「キーボード水かけ試験」という項目が追加されていますね。今回、この試験が追加されたのはなぜですか?

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巣山:最近、他社製ノートPCでこうした機能を謳うものが登場していることもあり、我々でも同じことができないかという声が上がっていました。また、個人的にも過去にオリーブオイルをこぼされて大変なことになった記憶があり(笑)、ぜひ、やってみようじゃないか、と。ただ、その頃にはもう設計はほとんど終わっていましたから、できあがったものに対してそれを確認してみたというのが正直なところです。

--防水を念頭に設計していなかったのに、それが実現できていたということなんですか?もう少し詳しく教えてください。

巣山:実は新しいVAIO S11/S13(およびPF/PGシリーズ)では、キーボード面に対していくつかの大きな設計変更を行っており、それが内部への浸水を防ぐのではないかという想定があったんです。

曽根原:先代VAIO S13(VJS131シリーズ)では、内部冷却のためにキートップ下側に孔を空けて、そこから空気を取り込めるようにしていたのですが、新しいVAIO S11/S13(およびPF/PGシリーズ)ではパームレストの奥側に効率よく吸気口を設けたことで、そうした孔を空けることを止めています。その結果、上から水をかけても、そのままパームレストをつたって下に流れ落ちてしまうようにできています。

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キーボード奥側に設けられた吸気口
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巣山:これに加え、キートップを支える桟の部分がバスタブのような構造になっていますので、その状態でキートップを押し込んでもバスタブから水があふれて外に流れ出ていきます。ですので、もし水をこぼしてしまっても、慌てず、そのままの状態で、キッチンペーパーのようなもので水を吸い取っていただければ大事には至らないはず。データを保存後、PCの電源を落とし、サービスセンターに連絡してください。

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--最後に読者へのメッセージをお願いします。

海口:大昔はノートPCと言えば、皆さん、ケースに入れてうやうやしく扱ってくださったのですが、今はまるで文房具のように気軽に扱うようになりましたよね。リュックサックにそのまま入れてギュウギュウの満員電車に乗ったり、そのまま自転車の前カゴに放り込んだり……。エンジニアとして正直なところを言えば、もう少し大事に扱っていただきたいなという気持ちがあるのですが(笑)、そういう時代になっているということは認めなければなりません。

海口:繰り返しになってしまいますが、VAIOはそうした変化する実情を踏まえた品質試験を行っています。PCで大切なデータを扱う人にこそ使っていただきたいですね。

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