法人導入事例 茅野市役所様


「三層分離モデル」から「ゼロトラスト」へ。VAIO一斉導入で自治体DXを推進

「三層分離モデル」から「ゼロトラスト」へ。VAIO一斉導入で自治体DXを推進

茅野市役所
企画部 DX推進課
自治体デジタル係 CDO補佐官

今 藤彦

茅野市役所
企画部 DX推進課
自治体デジタル係 係長

宮坂 悠哉

茅野市役所
企画部 DX推進課
自治体デジタル係 主事

山﨑 健

長野県茅野市は、八ヶ岳の東山麓に広がる、360度を雄大な自然に囲まれた「高原都市」です。職員数約500名、非正規職員を含めると1000名近くが働く茅野市役所は、標高801メートルに位置する「日本一高い場所にある市役所」としても知られています。「デジタル活用はやや遅れ気味だった」と言う同市ですが、市長の号令下、2022年を「DX元年」と位置付け、庁内DXと地域DXの両輪で改革を推進。その中でも特に重要度の高い「三層分離モデルからの段階的離脱」において、VAIOがどのように活用されているかを伺います。

地方自治体ならではの「三層分離モデル」という制限

「私が外部から着任した時、市役所の執務環境を見て『何だ、この働きづらい環境は』と驚きました。自席でしか仕事ができないなど、執務環境の効率が非常に悪かったのです」

そう当時を振り返るのは、IT業界での長い経験を持ち、2023年から茅野市CDO補佐官に就任した今 藤彦(こん ふじひこ)氏です。「CDO補佐官」とは、市長をCDO(デジタル最高責任者)とし、その補佐官としてデジタル活用の最前線で培ってきた知見をふまえ、組織のデジタル戦略策定や、その実行を支援するポスト。昨今、沖縄県や愛知県豊田市、宮城県仙台市など、さまざまな自治体で民間からの起用が進むなど、DX推進の「切り札」として期待を集めています。

地方自治体ならではの「三層分離モデル」という制限

今氏は茅野市の働きづらさの最大の原因が、自治体特有の「三層分離」ネットワークにあると指摘。日本年金機構の情報漏洩問題(2015年)を契機に全国の自治体で導入されたこの仕組みは、マイナンバー情報などを扱う「マイナンバー(住基ネット)利用事務系」、庁内業務の「LGWAN接続系」、そして「インターネット接続系」の3つのネットワークを完全に分離するものです。

当時の茅野市では、LGWAN環境(サーバー)に接続されたシンクライアント端末(デスクトップPC)をメインとしつつ、インターネット接続系を利用する際はリモートデスクトップで接続する必要があり、その非効率さが課題となっていました。また、より厳格な運用が求められるマイナンバー/住基関連業務については別の専用端末が必要で、その置き場の問題も解決する必要がありました。さらに、当初の三層分離モデルは無線接続を認めておらず、自席を離れると情報へのアクセスが完全に絶たれてしまう問題もあったと今氏は言います。

「これらの制限による『コミュニケーションコストの高さ』が解決すべき最大の課題でした。企業の血液とも言える情報の循環が遅れれば、組織全体のアウトプットスピードが落ちてしまうからです。今後、少子高齢化が進んで職員数を維持するのが難しくなっていくにも関わらず、サービスを必要とする人は増えていきますから、今のうちに業務の効率化を進めていく必要がありました」(今氏)

もちろん国もこうした実態は把握しており、2024年5月には、2030年を目標に三層分離モデルを廃止していく方針を明示。また、それ以前からモデルの改定を進めており、当初の三層分離モデルを「αモデル」とした上で、利便性も考慮した発展形として「α’モデル」「βモデル」「β’モデル」などを提示してきました。

「今回、茅野市では最終的な三層分離モデル廃止に向けたステップとしてβモデルの採用を決定。『1人1台のモバイルノートPC』体制による業務効率化を目指し、その最重要ピースとして、2025年度にVAIO Pro BKを700台導入しました」(今氏)

VAIO Pro BK

求める性能を全て満たす最適解としてVAIO Pro BKを選択

総務省が提示する三層分離モデルの発展形、そのβモデルは普段の執務環境の軸足をインターネット接続系に移し、必要な時だけLGWAN接続系にリモート接続(画面転送)するというもの。これによりGoogleWorkSpaceといった各種クラウドサービスをフル活用できること、職員用端末の運用自由度が増すことが最大のメリットです。反面、データの安全性を担保するために、常時PCの動作を監視するゼロトラストセキュリティを適用する必要があり、PCには十分なマシンパワーが求められます。

こうした中、茅野市は2023年に10.5型クラスの小型タブレットPCを試験的に導入。そのテスト過程で、自治体業務におけるリアルなニーズが次々と浮かび上がってきました。

「画面が小さすぎて作業効率に影響が出たほか、Web会議を繋ぎながら裏で別の作業をするとマシンパワーが足りず、動作が重くなってしまうなど、サイズやマシンパワーに起因する多くの問題が顕在化しました」(今氏)

今氏と共にノートPC導入プロジェクトを推進し、主に要件定義などを担当した、茅野市企画部DX推進課自治体デジタル係の山﨑健主事も同様に現場目線での使い勝手の悪さを指摘します。 「我々の用途ではバッテリーが2時間程度で切れてしまい、半日続くような長時間の会議で安心して使えませんでした。また、小型・薄型化を追求するあまり接続端子がUSB Type-AとUSB Type-Cが1つずつしかなく、会議室の大画面テレビにHDMI接続するためにドッキングステーションを持ち歩かねばならないことも不便でした」

求める性能を全て満たす最適解としてVAIO Pro BKを選択

実務をする場所を選ばない持ち歩けるサイズと軽さ、長く安心して使える堅牢性、作業効率を落とさないパフォーマンス、大きく見やすいディスプレイ、長時間の会議に耐える大容量バッテリー、周辺機器を単体で接続できる豊富なインターフェース、そして顔認証や指紋認証といったセキュリティ機能。これらすべての要件をクリアする最適解として浮上したのが、VAIO Pro BKだったのです。

VAIO Pro BK:14.0型ワイド画面を搭載し、ビジネス用途に求められるモバイル性を実現したVAIOのスタンダードラインPC

「価格だけを見れば、より安価な海外メーカー製品という選択もあり得ました。ただ、職員の業務効率を上げることを目指しているのに、結果的に運用する側の負担が増え、機器がすぐ壊れてしまっては本末転倒です。その点、VAIOは本社工場(安曇野市)が近く、いざという時にもすぐに対応してくれそうなことが好印象でしたね。また、価格についても地方自治体が無理なく導入できる金額をご提示いただき、公正な入札の末、VAIOの導入が決定しました。その後、実際に本社工場を見学させていただいたのですが、動画でも公開されている品質試験を目の当たりにして、VAIOへの信頼感がさらに大きく高まっています」(今氏)

求める性能を全て満たす最適解としてVAIO Pro BKを選択

なお、導入決定に先駆けて行われた試験導入では、VAIOならではのWi-Fi感度の良さも高く評価されました。茅野市役所は8階建ての大きな庁舎で、先のタブレットPCでは一部のエリアでWi-Fi感度が不足する現象が起きていましたが、ディスプレイ上端部にアンテナを配置するVAIOは全てのエリアで十分な感度を維持し、どこでも快適に通信できたとのことです。

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

こうして2025年10月から段階的にVAIO Pro BKの導入がスタート。2026年1月には全職員への配布が完了し、新たな環境での業務が始まっています。それまで自席のシンクライアント端末に縛られていた職員の働き方はVAIO導入後、すぐに大きく変わっていきました。

「全職員にノートパソコンが行き渡るのは初めてのことです。会議の際、皆が紙の資料ではなくVAIOを持ち込み、画面上で情報を確認しながら会議に参加する姿を見た時は、『変わってきたな』とうれしい思いがありました」(今氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

その変化は庁舎内にとどまりません。納品された700台のVAIOのキッティング業務をマネジメントしたDX推進課宮坂悠哉係長は、現場を飛び回る技術職や訪問担当の職員たちの働き方も大きく変わったと言います。

「タフなVAIOを現場に持ち出し、その場で業者と図面を見たり、訪問先でデータを入力したりと、今まで全くできなかった働き方が始まっています。『紙を持ち歩かなくていい』『セキュリティ的にも気が楽になった』『仕事の幅が広がった』という喜びの声が多く上がっています」(宮坂氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

また、従来環境ではWeb会議を行うために、5台ほどしかないWeb会議用の共有端末を予約する必要がありましたが、VAIO導入後は、誰もが好きな場所でWeb会議を行えるようになりました。さらに、この環境整備が後押しとなり、本格的なテレワークのトライアルもスタートしています。

もちろん、今氏をはじめ、導入チームのメンバーもVAIOの品質には大いに満足しているとのこと。実際に使ってみて、細かな使い勝手の良さに感心したと口を揃えます。

「これは個人的な感慨なのですが、若いころに愛用していたあのVAIOを、業務でまた使えるようになったことに喜びを感じています(笑)。画面を開くとキーボードが持ち上がるチルトアップ機構や、蛍光灯などの反射を抑えてくれるアンチグレア液晶などが使いやすく、さすがはVAIOだな、と」(今氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

「細かいところではキーボードのVAIO独自ショートカットがよく考えられていて、非常に便利です。また、本体カラーリングが偶然にも茅野市のイメージカラーであるリンドウ色(淡く明るい青紫色)に近いことも気に入っています。おしゃれで高級感がありながら、華美ではないところが我々のような地方自治体にぴったりだと感じました」(宮坂氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

「バッテリー駆動時間の長さにも満足しています。長時間会議でもバッテリー残量を気にせず使えるのがありがたいですね。今日ここに持ってきた端末も、これだけ使ってまだ82%も残っていますから(笑)」(山﨑氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

市長と今CDO補佐官のもと、自治体DX実現に向けた茅野市役所の取り組みは今後も続きます。具体的には来年度に文書管理システムやクラウドPBX(パソコンでの電話対応)などの導入を予定しているとのことです。

「2030年を目標とする三層分離モデルからの完全離脱、そしてDX推進の重要なパートナーとして、VAIOには非常に期待しています。今後も高性能なPCの提供、そして風通しの良いサポート体制で、茅野市役所の執務環境を支えつづけていただきたいですね」(今氏)

導入してすぐ職員たちの働き方が変わったことを実感

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