VAIO Z開発ストーリー Vol.0:プロローグ

これがVAIOのネクストジェネレーション

先代VAIO Z登場から約5年。
新しいVAIO Zはどのような想いのもとで生み出されたのか。
その誕生秘話を開発に携わったメンバーたちが語る。

  • PC事業本部PCビジネス統括部事業企画グループ

    商品企画課

    原田 真吾

  • PC事業本部エンジニアリング統括部デバイスエンジニアリンググループ

    プロジェクトリーダー課
    プロジェクトリーダー

    古川 恵一

  • PC事業本部エンジニアリング統括部デバイスエンジニアリンググループ

    メカ設計課
    メカニカル プロジェクトリーダー

    武井 孝徳

  • PC事業本部エンジニアリング統括部SW&Solエンジニアリンググループ

    システムソフト課
    ソフトウェア プロジェクトリーダー

    古谷 和之

  • PC事業本部エンジニアリング統括部デバイスエンジニアリンググループ

    システム設計課
    エレクトリカル プロジェクトリーダー

    板倉 功周

2018年末 VAIO Z開発プロジェクト発足
まず、強い“気持ち”があった

−−まずは「VAIO Z」という機種を、VAIOがどのように考えているかを教えてください。

プロジェクトリーダー 古川:VAIO Zには、VAIO株式会社として世に出してきたもののほか、ソニー株式会社時代のものも含め、さまざまな製品がありました。それらに共通するのは「フラッグシップ」であるということ。その時代における最高のスペックを求めてきたというのがVAIO Zのありかたです。

商品企画 原田:その際、外してはいけないのがモビリティとパフォーマンスの2軸。VAIO Zでは、この相反する要素をできる限り高い次元で両立させることにチャレンジし続けてきました。そこから生み出された技術的ブレイクスルーがユーザーの皆さんに「これがVAIO Zなのか!」という感動を与えてきたのでしょうし、それを感じていただけるだけのものを作らなければならないと考えています。

−−VAIO Zについて、VAIOファンが求めているものはなんだと感じていますか?

原田:アンケートの集計結果などを見ていると、やはりハイパフォーマンスなモバイルPCであることを期待されている方が多いですね。ただ、それだけではない“何か”を求められているということも強く感じています。結局のところPCは仕事の道具でしかないのですが、自分の愛車に名前をつけて大切にしている人がいるように、工業製品以上の何かを感じて、自分の愛機にしているという人は少なくありません。ですので、VAIO Zでは、そうした方々に「やっぱりZじゃなきゃ」と言っていただけるような、スペックには現れない部分の魅力をどれだけ引き出せるかというところを大切にしてきました。

−−そうしたメーカーとユーザー双方の強い想いを持って生み出された新しいVAIO Z。その企画が立ち上がったのはいつ頃なのでしょうか?

古川:今からおよそ2年前、2018年12月の最終出勤日に上司から会議室に呼び出されて「Zをやらないか」と言われました。当時はVAIO株式会社がスタートして、あと半年強で5年が経つというタイミング。5年で我々がどれくらい成長したのか、VAIOのネクストジェネレーションを皆さんにお見せしよう、それにはやはりVAIO Zをやるしかないだろうと。

−−なるほど。開発計画的、あるいはマーケティング的に明確な理由があったわけではないんですね。

古川:もちろんそういうものもありましたが、我々にとっては何よりもまず“気持ち”だったと思います。また、そういう想いがあったので、その後集められた開発メンバーも、これまでとは大きく異なる陣容になりました。特にメカニカル、ソフトウェア、エレクトリカル、各部門のプロジェクトリーダー(PL)の多くは、それまでPLを経験していない若手が務めています。かくいう私も今回がPL初挑戦でした。

−−そこに不安や不満はなかったのですか? 例えばベテランのエンジニアから「俺たちの方が上手くやれるはずだ」といったような。

古川:いえ、むしろベテランからの提案でした。「これまで通りのメンバーで作ると、どうしても同じことの繰り返しになってしまう。俺たちは横から口を出すくらいにするよ(笑)」という感じで……。

−−文字通り「ネクストジェネレーション」を中心に作りあげていこうということなんですね。

「VAIO Z」とは何なのか?

−−そうして翌年2019年初頭から本格的にスタートしたVAIO Zの開発ですが、その時点で、古川さん、あるいは上司の方の中に、こういうことをやりたいという具体的なアイデアはあったのでしょうか?

古川:正直に言うと、具体的なものは何もありませんでした。そこで開発メンバーを会議室に集めて、ゼロから「Zとはなにか」を徹底的に話し合うというところから始めています。皆でVAIO Zのあるべき姿、目指すべき姿を出し合いながら構想を煮詰めていったんです。

原田:その際、かなり早い時点で決まっていたのは、やはり基本軸は変えるべきではないだろうということ。モビリティとパフォーマンスを高いレベルで両立させるというところは絶対に譲るべきではないと皆が考えていました。

−−新しいVAIO Z、最大の特長である、世界初*1の立体成型フルカーボンボディというアイデアはいつ頃でてきたのですか?

*1 ノートPC筐体を構成する全ての面で、立体成型を行ったカーボン連続繊維素材を使用することにおいて。2021年1月6日時点 ステラアソシエ調べ。

原田:軽くて強いカーボン素材をこれまで以上に使いたいという気持ちは最初期の段階からありました。でも、それをどう効果的に実現するかには議論があって、実はかなり長いこと停滞してしまっていたんですよ。ただ、ひとつずっと思っていることがありました。VAIOがカーボンを始めて以来、いつか実現しようと思ってきた理想の使い方。カーボンに曲げ加工を施すことで強度を引き出し、ボディ全体を覆うという立体成型フルカーボンボディ構想です。しかし、それを実現するには非常に高いハードルがあって、誰もそれを言い出せませんでした。

そんな中、あるメカメンバーが、苦渋と、ワクワクが半々のような表情で、険しい道になると思うけど、やってみないかという声を上げ、それがブレイクスルーになったんです。あの瞬間の高揚感は今も忘れません。

メカニカル プロジェクトリーダー 武井:ポイントは「カーボンを曲げる」というところ。薄くて軽いカーボンを立体的な形状にすることで、剛性を大きく高めつつ、本体の薄型・軽量化も実現できるんです。もちろん、簡単なことではありませんが、これなら新しいVAIO Zに相応しいと、挑戦することになりました。

−−これでやっと新しいVIAO Zの構想の背骨の部分が定まったわけですが、それ以外の点で、今回、挑戦と言えることはありますか?

ソフトウェア プロジェクトリーダー 古谷:私の担当するソフトウェアのパートは、一般的にメカ、デバイスが決まった後に、それをどう上手に使っていくかという観点から検討が始まります。しかし、今回に関してはソフトウェアの側でこういう機能を実現したいので、このデバイスを載せてほしいという要望を出しました。具体的には人感センサーや、電源ボタン一体型指紋センサーといった新規デバイスがそれにあたります。

エレクトリカル プロジェクトリーダー 板倉:もちろん、薄型・軽量化を目指すモバイルノートPCにおいて、新規デバイスの追加は簡単なことではありません。特に今回はすでに5Gモジュールの追加などが決まっていましたからなおさらです。そのため、こうすれば既存のカメラユニットからサイズを変えずに人感センサーを追加できるという具体案を作って他のメンバーを説得していきました。そこはもう、絶対に実現するぞという意志をもってやっています。そうした取り組みのために通常よりもかなり前の段階からエレクトリカルやソフトウェアのメンバーが設計に参加していったというのも、VAIOのものづくりにおける大きな挑戦の1つだったと思っています。

古川:今回、初めてプロジェクトリーダーをやってみて強く感じたのは、武井、古谷、板倉、3人のPLに限らず、全てのメンバーがVAIO Zを作りあげることに対して強い使命感と責任感を持って向き合ってくれたこと。お客さまに対してこういう体験を提供したい、これこそがZなのだという思い入れを持って、妥協なく取り組んでくれていたのが心強かったですね。

−−それはここまでのお話でも強く感じました。皆さん、やはりVAIO Zに対してものすごい情熱を持っていますよね。

古川:はい。さらにその上で皆が「部分最適」ではなく「全体最適」という観点で動いてくれました。何度も言うように、VAIO Zではモビリティとパフォーマンスを高い次元で融合させることを目指しているのですが、これを実現するためには、それぞれのエンジニアがそれぞれの担当区分“だけ”をがんばる、ではダメなんです。それぞれの担当区分からはみ出した、オーバーラップしている部分に積極的にコミットしていかねばなりません。そうしないと、すごく軽いのだけどパフォーマンスは今ひとつだったりする、歪なマシンになってしまいます。

原田:そうした「全体最適」なものづくりは、VAIOにとって当たり前のことではあるのですが、VAIO Zに関しては、はっきりとこれまで以上でした。行きすぎているというか、終わりがないというか……(笑)。先ほどの指紋センサーの話以外では、5G対応のために新設計されたアンテナについてもメカ担当と通信担当が、どのようにして(電波を通さない)カーボン素材を活かしながら通信感度を高められるか、ずっと議論と実験を繰り返していたのが印象に残っています。

古川:あれはまさに喧々諤々、でしたね(笑)。今回、そうやってVAIO Zを作りあげていく過程、開発メンバーと話し合ったり、過去にVAIO Zを手掛けてきた諸先輩方のお話を聞いていく中で感じたのが、VAIO ZがそうしたVAIOの精神を受け継ぐための機種でもあるということ。やっていくことで、自分たちの成長が感じられましたし、それをこれからの新人に継承していくという意味でも、VAIO Zという機種の存在には価値があるのだなと感じました。

VAIO Zは“挑戦”する人のためのマシン

−−そして約2年の開発期間を経て、2021年1月、いよいよVAIO Zが発表されました。「プロローグ」の最後に、これまでVAIO Zを待ち望んでいたVAIOファンの皆さんに向け、開発チームを代表して、古川さん、原田さん、メッセージをお願いします。

古川:まずは「お待たせいたしました!」と言わせてください。このVAIO Zは、ここに集まっている開発チームの面々だけでなく、VAIO株式会社全社員、そして社外の協力会社の皆さんも含め、協力してくださった全ての方々の技術と想いを結集させた製品。最高のモバイルノートPCに仕上がっていますので、ぜひともお手にとっていただければ。

原田:VAIOは2020年11月に「挑戦に火をともそう。」という新たなブランドミッションを掲げました。VAIO Zはそれから初めて世に送り出す新製品です。我々と同じく挑戦している方々だけでなく、まさに今、挑戦したいと悶々としている方々の背中を押すような機種であってほしいですし、そういう方々に使っていただきたいと思っています。

(2021年2月18日掲載)

製品情報をみる

intel プロセッサー・ファミリー

インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Celeron、Celeron Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Ultrabook、Iris は、アメリカ合衆国および/またはその他の国における Intel Corporation の商標です。

※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。