VAIO SX14・VAIO Pro PK開発ストーリー Vol.2

開発者が語る「さらに進化したVAIO TruePerformance®

「前と同じ」「これで充分」では納得しない。
それがVAIOらしさ。

  • PC事業部 PC設計部

    プロジェクトリーダー課
    プロジェクトリーダー

    江口修司

  • PC事業部テクニカルユニット

    メカ設計課
    チーフ サーマル エンジニア

    久富寛

  • PC事業部 PC設計部

    電気設計課
    エレクトリカルプロジェクトリーダー

    柳澤秀一

  • PC事業部 PC設計部

    電気設計課
    エレクトリカル エンジニア

    板倉功周

新モデルなのだから、もっとパフォーマンスを引き出したい

−−今回のVAIO SX14・VAIO Pro PKでは、従来モデルで好評だった「VAIO TruePerformance®」がさらに進化したとのことですが、具体的にはどのような機能強化が行われているのでしょうか?

プロジェクトリーダー 江口:今回のVAIO SX14・VAIO Pro PKは、従来モデル(VAIO S13・VAIO Pro PG)と同じ第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載していますが、マイクロアーキテクチャーが最新のものになっています。ただ、その進化点は短時間しか引き出せない“最大パフォーマンス”の向上で、“持続可能パフォーマンス”はほとんど変わっていないんですね(最大パフォーマンスと持続可能パフォーマンスについては下コンセプト図参照)。つまり、そこにこれまで通りのVAIO TruePerformance®を適用しても、従来と同じパフォーマンスしか引き出せないということになります。

でも、それではVAIOらしくないと思いませんか?そこでVAIO SX14・VAIO Pro PKでは、VAIO TruePerformance®をさらに進化させることで、これまで以上に“持続可能パフォーマンス”を高いレベルに保つことを狙いました。

VAIO TruePerformanceⓇ コンセプト図

※この図はコンセプト図であり、実際の動作とは異なります。

……とは言え、従来モデルの熱設計は限界ギリギリのラインを攻めたものでしたから、VAIO TruePerformance®をより強力にするためには、排熱性能を大きく高める必要がありました。

−−具体的にはどれくらい発熱量が上がっているのですか?

熱設計 久富:VAIO SX14・VAIO Pro PKでは、VAIO TruePerformance®適用時の消費電力がおよそ25%アップしていますので、排熱能力も、その分高めなければいけませんでした。ただ、比較的対処しやすいところは前回ですでに対策してしまっていたので、今回は重箱の隅をつつくような対策をいろいろやっています。

具体的には、たとえば、ボトム部の金属シートの形状を変更し、空冷ファン直下の部分をカットしています。従来モデルではファンの上下の空間がかなり狭く、結果的に排熱能力が抑えられてしまっていたのですが、今回、シート1枚分だけファン下の空間を拡げたことで、送り出す空気の量を数%ですが増やすことに成功しています。

また、排気口のスポンジの材質も空気の漏れが少ないものに変更し、外に吐き出す空気の量を増やしています。それと、CPUから発生した熱を外に逃がすヒートパイプも新しいものに変えました。ヒートパイプの一部をコンマ数mm太くしたほか、受熱板の素材も熱伝導率の高い銅に変更しています。ただし、これは重量増の要因になってしまったので、他のメンバーからは恨まれたかもしれません(笑)。

そのほか、CPUなどが発するノイズを遮断するカンシールド周りの空気の流れを良くするために、カンシールドに開けている穴を加工しにくい角部分にまで拡げています。これをやったからといって、内部の温度は1度も変わらないんですが、今回はとにかくそういう細かい対策を積み上げて行くことで、新しいVAIO TruePerformance®を実現するために必要な排熱性能を追求しているのです。

−−まさに「重箱の隅をつつく」ような努力をされたのですね……。

久富:さらに、熱設計の仕事は、内部の熱を外部に逃がすだけではありません。ユーザーが触れる部分の温度が上がりすぎないよう、外への放熱を遮断するという真逆の工夫もしなければなりません。

たとえば、先ほどお話しした空冷ファン下の金属シートをカットした件ですが、そこから内部の熱が外部に伝わってしまうという問題は、冷却ファンの手前にジャンプ台のようなデフューザー(整流板)を作ることで軽減。熱気の流れを変えることで、ピンポイントな表面温度上昇を防いでいます。

VAIO SX14・VAIO Pro PKの空冷ファン直前に設置されたデフューザー(上)と、その検証実験サーモグラフィ画像(下)。デフューザーが底面に熱いスポットができることを防いでいるのがわかる。

また、ボトム部の金属シート周りでは、従来モデルで組み立てサポート用に空いていた穴を塞ぎ、そこから熱が逃げて、底面に高熱のスポットが現れてしまうと言う現象が起きないようにしました。同様に、ネジ穴の周りにもサーマルランドを設けて、熱がネジを通じて外に伝わるのを防いでいます。

諦めかけていた5Vアシスト充電にも対応

−−VAIO SX14・VAIO Pro PKでは、CPU以外にも多くの点が高性能化していますが、そうしたパーツが熱源となり、VAIO TruePerformance®の実現を阻害したということはなかったのですか?

江口:新規に追加したUSB Type-C™端子で、VAIO A12・VAIO Pro PAで好評な5Vアシスト充電機能を実現しようとすると、充電時に内部にかなりの熱が発生してしまうため、実は最初の試作の直前まで実現が危ぶまれていました。

電気設計 板倉:USB Type-C™端子で5Vアシスト充電を行う際、内部で昇圧をせねばならないのですが、そこで大きな発熱が発生してしまうのです。そこで、VAIO SX14・VAIO Pro PKでは、新たに従来の充電システムと、VAIO A12・VAIO Pro PAで採用した充電システムの良いところ取りをしたハイブリッドなチャージャーを新搭載し、この問題を解決しています。

エレクトリカルプロジェクトリーダー 柳澤:ちなみに、5Vアシスト充電機能を、VAIO A12・VAIO Pro PAで採用されているCPUで実現するのと、VAIO SX14・VAIO Pro PKで採用されている、より消費電力の大きいCPUで実現するのでは、ハードルの高さがまるで違います。今回は、高性能CPUに安定した電力を供給しつつ、発熱も抑え、かつ5V充電にも対応するという非常に難しい問題をクリアせねばなりませんでした。

その点、新しいハイブリッドチャージャーは、CPUが高い電力を必要とする際にバッテリーから直接アシストする機能を搭載。VAIO A12・VAIO Pro PAに搭載されていた従来型のチャージャーと異なり、昇圧回路を通す必要がなくなるため、発熱の問題がクリアになりました。

−−VAIO SX14・VAIO Pro PKのCPUは、VAIO A12・VAIO Pro PAと比べて消費電力が多いとのことですが、それでも5Vアシスト充電機能は役立つのでしょうか? アシストした分よりも多くの電力を消費してしまうということはないのですか?

板倉:はい。VAIO TruePerformance®はともかく、VAIO SX14・VAIO Pro PKは全体的にはとても省エネルギーな設計になっていますから、Webブラウジングや、ワープロ、表計算ソフトの利用など、一般的な使い方であれば、充分にアシストできるようになっています。また、たとえば出張時にACアダプターを忘れてしまったという場合でも、コンビニなどで売っているスマートフォン向け充電器などに繋いでいただければ、一晩で満充電にすることができます。

実感できるレベルのハイパフォーマンス化に成功

−−最後に、こうした苦労を乗り越えて実現した新しいVAIO TruePerformance®で、どれほどのパフォーマンス向上が実現できたのかを教えてください。

江口:Core i7モデルの場合、VAIO TruePerformance®の適用によって、非適用の場合と比べて約25%ものベンチマークスコア向上が実現できました。VAIO S13・VAIO Pro PGのCore i7搭載モデルと比べても、10%以上も高速化しています。これによって、Excelでの大がかりな計算や、ビデオ編集などといったヘビーな作業はもちろん、普段の多くの操作で違いを感じていただけます。

−−苦労した甲斐がありましたね!

江口:VAIO SX14・VAIO Pro PKは、VAIO S13・VAIO Pro PG同様、モバイルノートをメインマシンとしても使いたい、デスクトップマシン並みのパフォーマンスを外に持ち出したいという人のために作りました。そうした使い方をする人にとって、VAIO TruePerformance®が実現するハイパフォーマンスは必ずやお役に立つはずです。場所を選ばずバリバリ働くビジネスパーソンや、日々、ヘビーな研究を行っている学生さんにも必ずやご満足いただけると確信しています。

(2019年1月17日掲載)

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