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新VAIO Pro PKは「働き方改革」の救世主、
USB充電や4K表示にも対応

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2019年01月28日)より転載
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2019年のVAIOの主力機種として、満を持して登場したのが、「VAIO Pro PK」だ。14.0型ディスプレーを採用しつつ、13.3型ディスプレーの既存機種「VAIO Pro PG」とほぼ同等のフットプリントで軽量化を実現した。

重量はついに1㎏を切り、4K液晶も選べる。仕事のしやすさにこだわった機種であり、USB Type-C端子の採用によって、モバイルにつきものの充電の問題にも回答を出している。働き方改革を進めていくうえで、強い武器になるモバイルノートと言えるだろう。

大画面化とモバイル性の両立が必要だった

「VAIO Pro PK」の最大の特徴は、13.3型の「VAIO Pro PG」とほとんど変わらないフットプリントでありながら、14.0型液晶を搭載した点だ。サイズは概算値で幅320.4×奥行き222.7×高さ17.9mm(最薄部15.0mm)。奥行きのみが約6.6mm大きくなっている。

「VAIO Pro PK」(個人向けはVAIO SX14)。外観は「VAIO Pro PG」(同VAIO S13)とほとんど変わらない。

大画面だとオールインワンノートを思い浮かべるが、目指したのはモバイルワークで活躍するノートPCだ。

デスクトップ機からのノートへの乗り換えで、一番気になるのは画面の大きさだ。とはいえ、いくら画面が大きくても、重くて持ち運びづらいノートPCでは意味がない。モバイルワークとして遜色なく使えつつ大画面であることが大切である。

そこで、VAIOは従来のサイズを極力変えず、大画面化するために狭額縁を採用。さらに軽量化を図るため、超高弾性UDカーボンを天板に使用し、堅牢性を確保しつつ軽量化に成功している。重量はなんと、最軽量構成時で約999g。最高スペックのCore i7+LTE+4K搭載モデルでも約1045gなので、常時持ち運んでも、苦にならない重さだ。

UDカーボンは、11.6型の「VAIO Pro PF」の天板でも採用されていたが、さらに強度が得られる積層設計を考えた。これにより、重量を軽減しつつ、堅牢性も併せ持つ。

難題だったのがLTEとWi-Fiアンテナの配置だ。VAIOでは最上の受信感度を得るため、これらのアンテナは必ず液晶上部に配置していた。しかしVAIO Pro PKは、VAIOとしては初の狭額縁モデルとなるため、通信モジュールがあるキーボード側と、液晶上部のアンテナまでの配線の仕方はもちろん、受信感度を保てるアンテナ自体の改良に取り組まなければならなかった。

アンテナは、受信感度がもっともいいとされるディスプレー上部に配するのがVAIOのこだわり。従来と変わらない性能を維持するが、狭額縁になり隙間が少なくなったスペースにどう配置するかが課題だった。

まず配線はケーブル径を細くし液晶とUDカーボンの隙間を這わせた。アンテナは、スペースが小さくなり、ケーブル径が細くなっても受信感度が落ちないように、形状を立体的なL字型にした。こうすることで、アンテナを液晶上部の配置することを可能にしている。

アンテナは、立体的なL字型にして(写真上)、受信感度のアップと小型化に貢献。奥の部分が少しだけ出っ張っているのが分かる。

LTEは国内のキャリアで利用されている主なバンドへ対応、NTTドコモとauはモジュール相互接続試験を取得し、ソフトバンクもシステム相互接続性試験を取得予定で、SIMを選ばず利用可能、もちろんキャリア・アグリゲーションに対応し、下り最大450Mbps(理論値)の通信を実現する。

LTEバンドの対応状況

基本的なデザインは従来機を踏襲している。キーボードはVAIO Pro PGと同じフルピッチを採用し、静寂性やキートップの防汚加工、アルミパームレスト、チルトアップヒンジによる無限パームレストなど、タイピング作業の快適性は従来の製品と変わらない。


キーボードやタッチパッドはVAIO Pro PGと仕様は変わらない。日本語配列と英語配列が選べる

静寂性の高いキーボードは場所を選ばず利用でき、手垢のつかないキートップという仕様は、その都度拭かずにすむ手軽さがある。

USB Type-C搭載しパフォーマンスもアップ

インターフェースは、VAIO Pro PAで採用されていた、PD対応のUSB Type-C端子を搭載。これにより、たとえばドッキングステーションと接続すれば、オフィスで利用する際はケーブル1本でディスプレーや周辺機器、LANなどと接続が可能となり、モバイルワークとオフィスワークの切り替えがスムーズに行える。


左右のインターフェース。右側にUSB Type-Cが新たに備わった

さらに、ACアダプターだけでなく、USB Power Delivery(USB PD)対応の充電器からの急速充電が可能。USB PD対応のACアダプターは、スマホやほかの機器の充電にも兼用できるので、荷物を減らすことが可能だ。

また、モバイルバッテリーを使った給電によるバッテリー駆動時間の延命もできるようになっており、スマホ用の一般的な5V充電器でも充電可能だ。つまり、出張時にACアダプターを忘れた場合でも、スマホの充電器やホテル備え付けのUSB端子などで対応できることになる。スマホ用の充電器は、いまや100円ショップでも手に入るものになった。近くのショップで手軽に購入できるメリットは大きい。ただし、5Vアシスト充電という名称が示す通り、5V充電器を利用した充電は7.5時間かかる。あくまでもやむを得ない場合に使うものになる。

PD対応の充電器を利用すれば、急速充電も可能。スマホと兼用も可能だ

とはいえ、バッテリーは、4KではなくフルHDのモデルであれば、公称で10時間程度持つ(4Kモデルは8時間程度に減る)ので、1日仕事をして部屋に帰ったら本体の電源を落として、充電を開始。朝までには、再び満充電の状態で仕事に向かえることになる。

このUSB Type-C端子は、3.1 Gen2に対応していることも見逃せない。2018年秋に登場した2in1機「VAIO Pro PA」もUSB Type-C端子を搭載していたが、USB 3.0対応だったため、「VAIO Pro PK」は将来を見据えた仕様になっている。

パフォーマンス面においても見直されている。最新CPUであるインテルCore iシリーズを採用。それに加え、Core i5もi7搭載モデルは、よりパフォーマンスアップさせるVAIO TruePerformance(VTP)に対応。しかも、CPUも変わったことでさらなるパフォーマンスの向上を目指し、再設計を施している。


VTPもさらに突き詰め、高温になるホットスポットをつくらないよう、風の流れを計算。電波に悪影響を及ぼさないようにCPUを囲う遮蔽板もさらに穴を増やして、温度上昇を少しでも抑える努力をしている

その結果、Core i7-8565U(1.80GHz/最大4.60GHz)プロセッサーでVTPありとなしで、約25%のパフォーマンス向上を果たしている。ここまでCPUパフォーマンスを引き出しているメーカーはなかなかない。これにより、重めの作業をこなすときにかなりの差がつくことになり、それは作業効率アップにつながることを意味する。

「PCMARK 8」での計測結果。動作周波数とCPU温度のグラフでも、VTPオン時(右上)とオフ時(左下)では、下限まで落ちる頻度が違うことがわかる

「CHINEBENCH R15」での結果は、VTPありでCPUが667cb(左)、VTPなしで411cb(右)と、その差は歴然

そして、液晶も4K解像度(3840×2160ドット)が選択可能となり、さらに広い作業領域を手に入れた。もちろん14インチサイズに4K解像度は少々オーバースペックかもしれない。しかし、フルHD解像度より、きめ細かな表示が可能となり、文字を表示してもくっきり鮮明になる。このため、目が疲れにくくなり、画像や縮小表示させてもディテールを損なうことがないので、作業がスムーズに進むはずだ。

狭額縁により大画面化に成功している

4K液晶で表示を100%、200%、300%にしたときのデスクトップ。標準では300%表示だが、文字が判読できる175%から200%表示がおすすめ

もちろん従来のマシン同様、ビジネスに求められる高いセキュリティーも用意されている。セキュリティーロック・スロットの装備やセキュリティーチップ(TPM)、暗号化機能付きSSDの選択が可能。さらに、2月よりOSにWindows 10 IoT Enterprise 2019 LTSCが選択できるようになり、シンクライアント化の対応も可能だ。

また、モバイルワークのためのソリューションも充実させてきており、リモートワイプやリモートロック、位置情報の確認ができる「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」や、LTE over IP技術を活用したリモートアクセス「VAIO Secure SIM」といったVAIOならではのセキュリティー対策が用意されている。前者は、盗難や紛失時に情報漏えいを防ぐ手段として、遠隔からBIOSのワイプ機能を利用してストレージ内容を瞬時に削除できる。後者は、通信による情報漏えいを防ぐ手段として、意識することなく常に高いセキュリティほ確保した通信を低コストで実現する。

「VAIO Secure SIM」は、VPNのように接続その都度開始する必要なく、LTE回線の閉域網のように安全性が高く、しかも低コストで実現するソリューション

さらに、DDSの多要素認証基盤「EVE MA」において、VAIOの内蔵指紋センサーによる指紋認証や内蔵カメラによる顔認証が利用できるプラグインを用意。追加デバイスなしに「EVE MA」が利用できる。これによりWindows Helloとは異なるサーバー認証を実現したことで、ユーザーの一元管理が可能となり、1度登録すれば異なるマシンからでも認証が利用できるので、なりすましのリスクを低減する。

DDSの「EVE MA」は、生体認証やーICカード認証などを拡張性の高いプラグインアーキテクチャを提供。今回VAIOの指紋認証や顔認証のプラグインを用意した

Windows 7のサポート終了まで1年を切ったいま、デスクトップマシンからの切り替えとして、性能的にもこれからモバイルワークが主流となることを考えも、最適なモデルと言えよう。もちろんメイド・イン・ジャパンの安曇野Finishなので、信頼性も確保されており、導入から運用、保守、リプレースといったPCライフサイクルを支えるサービスを提供する。VAIO Zの後継と称しても遜色ない仕様に、いよいよ本命が登場したと考えて良さそうだ。

法人向け製品情報

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インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。