開発ストーリー Vol.2 VAIO S11
![kurosaki](http://vaio.com/wp-content/uploads/2021/05/9a0c19db6676a3a3da0610d85d77a40d-e1621500492580.png)
商品企画担当
商品企画部
黒崎 大輔
![](http://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/img_profile1-4.jpg)
ビジネスユニット3
プロダクトマネージャー
花村 英樹
![img_profile_sonehara](http://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/img_profile_sonehara.jpg)
ビジネスユニット3
メカ二カルプロジェクトリーダー
曽根原 隆
![](http://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/img_profile_eguchi.jpg)
ビジネスユニット3
プロジェクトリーダー
江口 修司
スペックで表現できない喜びにぜひとも直接触れてみて
モバイルノートPCでは小型化・軽量化のために犠牲になりがちな“使い心地”も、今回、VAIO S11が妥協せずに向き合ったところです。とりわけユーザーが直接触れることになるキーボードとタッチパッドには並々ならぬ手間をかけました。
「VAIO S11のキーボードは、13インチモデルと比べて一回り小さなキートップサイズになりますが、この中にVAIO Zで評判の良かった同じ構造のキーボードを入れ込みました。さらに、ビスの最適レイアウトやサポート部材による補強を入れ込みフィーリングや剛性感を向上させています」(花村)
![side_img01](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/side_img01.jpg)
VAIO Zのキーボードは国内メーカーが手がけた、高精度に組み上げられた素性の良いキーボードをVAIOの考える快適さに沿ってチューニングしたもの。クリック感がないと入力している実感を得られない反面、これが強すぎると逆に疲れてしまうため、その最適解を見つけだすのには試行錯誤が必要となります。
「ある程度は測定器を使って数値化できるのですが、最終的にはやはり人の感覚に頼って調節することになります。ここはソニー時代から積み上げてきたノウハウが大きくいきるところですね。その点、VAIOはもう20年近くここにこだわり続けてきましたから自信があります」(曽根原)
また、VAIO S11では、キーボード表面に新たな工夫を施しています。VAIO Zに先駆けて、専用開発した「フッ素含有UV硬化塗装」を施すことで、汚れが付きにくく、付いたとしても拭き取りやすく、そして摩耗しにくいようにしています。
![side_img02](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/side_img02.jpg)
そしてトラックパッドについても、こちらもVAIO初となる高精度タッチパッドを搭載。これは、あたかもタッチパネルを操作しているかのような感覚でスクロールや拡大・縮小などといった操作を行えるようになるというもの。Windows 10の機能の1つですが、それに合わせてハードウェアをしっかりチューニングしています。
「これまでなかった新しいハードウェア、しかもWindows 10からの新機能と言うことで、その開発には大変時間を費やしました。リリース前の開発者向けWindows 10に段階的に実装されていくものを頼りに、タッチパッドメーカーと密にコミュニケーションを取りつつ実現できました」(江口)
ここでもちろん、大事を取って来年春以降の新製品からの対応とすることもできました。しかし、VAIOはその早期搭載にこだわります。「高精度タッチパッドで得られるベネフィットは、操作フィーリングを大切にするというVAIOのこだわりに合致していました。次から搭載すれば良いというふうには考えられませんでしたね」(黒崎)
![side_img03](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/side_img03.jpg)
それに加え、キーボードタイピング時に親指の付け根の膨らみがトラックパッドに触れてカーソルが意図せぬ動きをしてしまうという、タッチパッド利用時にありがちな問題も軽減に努めました。VAIO S11ではタッチパッドの検出アルゴリズムを見直し、指で触った時とそうでないときの電気的な特性の違いをもとに、ミスタッチを10分の1以下に減らすことに成功しています。
「さらに最後の最後、量産の直前にトラックパッド底部に敷かれる金属板の厚みを0.1mm厚くしています。数値だけ聞くと大したことがないように聞こえますが、その効果は絶大で、クリックしたときの剛性感などがとても良くなっています。キーボードもそうですが、これはぜひ店頭で他社製品と試し比べてほしいところ。違いがはっきり分かるはずです」(花村)
ほか、ディスプレイ部分と本体部分を繋ぐヒンジの作り込みにもVAIOのノウハウが詰め込まれています。ノートPCを開いて、閉じるという行為は、最も多く行う動作の1つ。閉じた状態から指一本でディスプレイを持ち上げた際に、スッと軽く開き、閉じる時は、20度くらいまで抵抗感を保ちつつ、最後はパタンと静かに落ちる、その力加減をしっかり見極めました。
「ヒンジ設計の難しさは、設計の初期段階でほぼ全てが決まってしまうこと。上の重さと下の重さのバランスを考えて、最初の時点でヒンジトルクとカム形状の正解を見つけださねばなりません。設計後半で試行錯誤するのでは遅いのです。ここをおざなりにしてしまうと、片手で開こうとしたときに開きにくかったり、閉じたときのしまりが悪かったり、音がすごく安っぽくなってしまったりしますので妥協できません」(曽根原)
![side_img04](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/side_img04.jpg)
細かなところでは閉じた際に、ディスプレイ部分と本体部分の接触を防ぐラバーパーツにもこだわっています。一般的な製品では細長いラバークッションを糊で貼り付けたりするのですが、VAIO S11ではこれをディスプレイのベゼルと一体成型しています。一つの部品を2つの金型を使って作るため、手間はかかりますが、見た目の自然さ、耐久性など、ここも妥協できないポイントでした。
![side_img05](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/side_img05.jpg)
キーボード、タッチパッド、そしてヒンジ……。我々がVAIO S11で手間やコストをかけてでも実現したかったこと。それによって生まれる手触りの違い=「快」に、まずは触れてみてください。
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![s11](https://vaio.com/wp-content/uploads/2020/12/s11-1024x546.jpg)
物語のある製品をつくる。
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