みずほ証券が実践する、多様な働き方に合わせたPC選定の勘所とは
IT基盤統括部
ヴァイスプレジデント
竹田 義孝
IT基盤統括部
ヴァイスプレジデント
武藤 英司
国内225拠点・海外19拠点(2023年6月30日時点)の国内外ネットワークを活かし、株式・債券・投資信託など金融商品の販売から企業向けの資金調達支援、M&Aアドバイザリーまで、幅広い事業を展開するみずほ証券株式会社では、「現行業務を維持できること」と「快適かつ長期間に渡って使えること」を重視して業務用PCの選定・刷新を行っています。
2017年に始動したWindows 10の導入に伴う業務用PCの刷新プロジェクトに携わり、現在はゼロトラスト・セキュリティーモデルの実現を見据えた次期PC導入プロジェクトに取り組んでいる、IT基盤統括部 ヴァイスプレジデントの武藤 英司さんと、同じくヴァイスプレジデントの竹田 義孝さんに話を伺いました。
100に及ぶ要件を定義し
業務スタイルに合わせたPCを選定
みずほ証券では、本社勤務のオフィスワーカーから社外で活躍する営業担当者まで、多様な働き方に合わせた業務用PCを採用しています。以前からワークスタイルの変革に取り組んでおり、ペーパーレス会議の実現に向けて会議室に持ち込めるノートPCを推進してきました。同社では、2017年からWindows 10の導入検討と老朽化したPCの刷新プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトを主導した竹田さんは、当時の状況をこう語ります。
「Windows 10への移行にあたり、OSのアップデート対象に含まれない老朽化した業務用PCの刷新が必要になりました。OSの刷新に伴い、IT環境も変革していきたいといった意向もあり、既存のPCベンダーを含めた6社から提案いただき、幅広い選択肢から弊社が目指す働き方改革に資するPCの選定を進めていきました」(竹田)
業務内容によって最適なPCを選定するため、IT基盤統括部が定めたシステム要件をベースに、20余りの必須要件を含めた約100項目を選定要件として設定。より快適に業務を行えることを重視して要件を設定したといいます。そこには従来の業務用PCを利用していた社員からの声も反映されています。
「以前の業務用PCはHDDを使用していましたが、起動や作業時の処理時間が長いことが課題となっていました。丁度SSDが主流になりつつある頃で、コスト面での問題も解消されてきていたので、要件に加えたほか、処理能力に大きく影響するCPUやメモリーに関してもスペックアップを図りました。さらに金融業界に求められる強固なセキュリティーを担保するため、TPMチップの搭載も必須要件としました。利用者がもっとも多い本社・営業店のデスクワーク向けとしては、ディスプレイサイズやテンキーの有無、インタフェースが充実していることなども重視し、最終的にもっともバランスよく要件を満たしていたVAIO Pro PHの採用を決定しました」(竹田)
武藤さんは、ペーパーレス会議の推進によって見えてきたバッテリー性能の課題も含め、実機を試用しながらスペック表を見ただけではわからない部分も検証したと選定当時を振り返ります。
「要件をベースに各社の提案内容を評価し、ある程度絞り込んだうえで、机上の提案だけではわからない操作性などの検証も進めていきました。また以前から推進していたペーパーレス会議で、会議室を渡り歩く管理職を中心にバッテリーの減りが気になるという声があがっており、快適な業務環境の実現に向けてバッテリー持続時間についても要件に含め、検証を行いました」(武藤)
パフォーマンスとコスト面でのバランスに優れ、使い勝手やバッテリー駆動時間など数多くの要件項目をクリアしていたことに加え、ほかのメーカーが提案したノートPCより新しいCPUを搭載したモデルを提案されたことが、VAIO Pro PH採用の決め手となりました。また、PCの持ち出しが多い業種向けのモバイルノートPCとしても、11.6型のVAIO S11と13.3型のVAIO S13をそれぞれ約800台が採用されています。
オフィスワーク用に15.6型ワイドのVAIO Pro PHを
大規模導入し、既存PCの課題を解消
Windows 10の導入を起点にスタートしたプロジェクトだったこともあり、PCの導入は段階的に進められました。2017年からVAIO S11、VAIO S13といったモバイルノートPCを、2019年からコア業務にも使われるVAIO Pro PHの大規模導入がスタートしました。
「OSの更改に合わせた社内システムの改修も並行して行う必要があり、IT環境の検証・改修作業とPCを展開する作業のバランスを考えながら段階的にPCの導入を進めていきました。約1年をかけて約13,000台を本社や営業店に展開しています」(武藤)
「Windows 10への移行による影響を最小化するため、バックオフィス業務を行っている社員のPCから順次入れ替えを進め、問題がないことを確認したうえでコアな業務に携わっている社員に展開していきました。OSアップデートが可能なPCは継続利用を基本とし、リプレース時期に合わせて入れ替えています」(竹田)
従来のPCが抱えていた性能面・利便性における課題を解消するための要件項目を設定したこともあり、VAIO Pro PHの利用者からはストレスなく業務を進められるようになったと喜びの声が聞こえてきています。導入から数年後に起きたコロナ禍による在宅勤務やWeb会議の頻度が増えた状況でも、性能面での問題はほとんど出ていません。
VAIO Pro PHにはデスクトップPC並みの性能を持つインテルのHプロセッサーが搭載されており、選定当時の最上位モデルを選んだことが、長期間にわたり快適に使い続けられている要因といえます。もちろん、ビジネス利用に耐え得る長期信頼性を備えていたことも見逃せないポイントです。
ゼロトラスト・セキュリティーモデルへの対応を見据え
新たなるPC導入プロジェクトを推進
システム・デバイスを含めたWindows 10への移行プロジェクトを完了させたみずほ証券では、現在Windows 11への移行プロジェクトに取り組んでいます。当然ながらPCの刷新も計画されており、VAIO PCを含めて検証がスタートしています。
「新たなプロジェクトにおいてもVAIOの提案をいただいていますが、以前と比べて機種のラインアップが大幅に増えていることに驚いています。VAIO Pro PHを導入した際、弊社のサービスデスクからファンの音がうるさく感じるという要望を出していたのですが、現在検証している最新機種では改善が図られていました。ユーザーの要望を真摯に受け止め、後継モデルの開発に反映されていることが実感でき、VAIOへの信頼感がより高まりました」(竹田)
同社では働き方改革も積極的に進めており、Windows 11への移行を機にゼロトラスト・セキュリティーモデルへの移行を推進していく予定です。現状もっとも利用者が多いオフィスワーカー向けのVAIO Pro PHの後継機種として、処理性能が向上した最新ノートPCの導入を検討しています。
「これまでは社内用と持ち出し用でPCを分けて運用していたため2台持ちの社員も多く、さらに持ち出し用のPCはセキュリティーの観点からストレージ内にデータを残さない仕組みを導入していたため、運用の負荷が増大していました。今回のプロジェクトでは、ゼロトラスト・セキュリティーモデルのコンセプトを取り入れ、ノートPCをオフィス・モバイルの両方に利用できる環境の構築に取り組んでおり、実現に資するPCの選定を進めています」(武藤)
現在はVAIO Pro PHの後継候補として、13.3型ワイドの「VAIO Pro PG」の貸出機で各種検証を進めている段階です。
「実機を使ってみて、かなり細かいところまで作り込まれていることを実感しました。最新機種ではAIノイズキャンセリング機能など現状に合わせた機能やサービスが備わっており、実際に使用することでそのメリットを確認できました。業務に合ったノートPCを選定するうえでは、実機に触れてみることが大切だと思います」(竹田)
ゼロトラストのコンセプトを取り入れ、よりセキュアで利便性の高いPC運用を目指すみずほ証券が、業務内容に合わせてどのようなPCを導入していくのか。今後の取り組みからも目が離せません。
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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。