VAIOとソコワクの組み合わせでシンクライアント環境を置き換え


株式会社高島屋
情報システム部
情報システム担当次長
鈴木 亨

株式会社高島屋
情報システム部
情報システム担当係長
富田 雄登
2031年に創業200周年を迎える老舗百貨店・高島屋。現在は、百貨店事業に加え、通信販売事業や商業開発事業、金融事業、建装事業などを国内外で幅広く展開しており、グループ全体で約1万名の社員が、「いつも、人から。」という経営理念のもと、高品質なサービスの提供に邁進しています。顧客情報保護という観点からかつてはシンクライアントを推進してきた同社が、VAIOとリモートアクセスサービス「ソコワク」の組み合わせで再びファットクライアントに回帰した経緯と成果について、同社情報システム部の皆さんに伺います。
セキュリティー性能を落とすことなくファットクライアントへ回帰
「2023年4月に、VAIO法人窓口のWebフォームから『モバイルPCを2000台買いたい』とお伝えしたのが、すべての始まりでした」
そう笑いながら当時を振り返るのは、株式会社高島屋 情報システム部の富田 雄登係長。当時、高島屋ではシンクライアントで構成されていたモバイルPC環境をファットクライアントに回帰させるべく、さまざまな選択肢を検討していました。その背景を、共に今回のモバイルPC刷新プロジェクトに取り組んできた情報システム部鈴木 亨次長は次のように説明します。
「当社では顧客情報の流出リスクを避けるため、10年ほど前からモバイルPCに関してはシンクライアントを導入していました。しかし、シンクライアントは情報がサーバー上のみに保管されているという意味で安全ではあるものの、ファットクライアントと比べてコスト高で、トラブル発生時の原因究明や解決にはユーザーにも一定以上のITリテラシーが求められるといった弱点があります。さらにここ数年急増しているリモート会議や各種クラウドサービス活用においてもシンクライアント端末では力不足を感じるケースが増えてきていました」

端末老朽化を機にそれら課題の解決に向けてスタートしたPC刷新プロジェクト担当に任命された富田係長は、より幅広い選択肢から選定するため、選択肢のひとつにVAIOを加えることを鈴木次長に提案。キッティングやLCM(Life Cycle Management)支援などの法人向けサービスが充実していたことからゴーサインがでたものの、過去に取引がなかったことから法人窓口のWebフォームに問い合わせを入れ、冒頭のように切り出すことになったのだそうです。
このご連絡を受けてVAIO法人営業チームはすぐに高島屋を訪問。シンクライアントの置き換えというニーズを踏まえ、VAIO Pro PK(14.0型ワイド)とソコワクの組みあわせをご提案させていただきました。
「シンクライアントの置き換えという目的があったため、VAIOに連絡する前からソコワクのことは調べて知っていました。ソコワクが魅力的だったのは、シンクライアントでは必須としていたVPNに接続するという行為自体が自動化され不要になること。社員のITリテラシーはさまざまですから、VPNに繋ぐ行為自体がリスクになりかねません。その点、ソコワクはユーザーが何かを操作することなく個体認証でセキュアに社内ネットワークに自動接続できますから、セキュリティーレベルの向上にもつながります。また、一般的なVPNサービスと異なり、キッティングの際にソコワクを利用することで専用線を敷設することなくドメイン参加までできてしまうことや、いざと言う時に遠隔でデータを消去できるTRUST DELETE Biz for VAIO PCのようなソリューションを提供していることも導入を強く後押ししました」(鈴木次長)
LCMサービスを導入し、予備機の管理を効率化
もちろん、PC本体についても高島屋での利用実態を踏まえた要件定義がありました。まず、従来環境では13型モデルと15型モデルが混在しており、管理負担が増えていたため、これを画面が大きく持ち運びもしやすい14.0型モデルに統合。CPUについては性能コスト比に優れるCore i5を選択しつつ、長期間快適に使えるよう16GBメモリー搭載にこだわりました。
「この際、VAIOがまだ出たばかりの第13世代プロセッサー搭載機を提案してくれたのが好印象でしたね。拡張性についても2基のUSB Type-A端子やHDMI端子など、我々が求める水準を十分に満たしていましたし、携帯性の高さやバッテリーの持ちなども十分なものでした。その上で、個人的に高く評価しているのがキーボードの使い心地です。利用時にキーボード面に傾斜がついてタイピングしやすいだけでなく、周辺キーの配列が窮屈でなく、独自のキーボード配列ではないことも気に入っています」(富田係長)

さらにもうひとつ、VAIO導入の決め手となったのが、IT資産のライフサイクルマネジメントをサポートするVAIO LCMサービスのひとつであるPCお預かりサービスの存在です。
「多数のPCを運用していく中で大きな課題となるのが遊休機の管理です。倉庫から出してきたらバッテリーが劣化してしまっていたり、キーボードが壊れてしまっていたり、そうしたコンディション管理が大きな負担になっていたのです。また、当時は日本全国の拠点にいざと言う時のための予備機を配置する運用をしていたのですが、数年ぶりに起動したら動かないといったトラブルが多く、予備機としての用をなさないことも問題視されていました。こうした課題を相談させていただいたところ、PCお預かりサービスを提案していただき、現在は遊休機・予備機をVAIOの側で保管してもらう運用になっています。必要に応じてロスタイムなく準備、発送していただけるのがとてもありがたいですね」(富田係長)
全社合計約8,000台の社内PCをVAIOに刷新し、DX推進の足がかりに
こうして、高島屋の新たなモバイルPCにVAIOが選定。2023年10月からの先行検証を経て、翌年2月に本社企画本部や営業本部、EC事業部、法人事業部などのモバイルPCを置き換えるかたちで約1,300台が一括導入されました。
「最大の懸念材料だったソコワクについては、驚くほどトラブルなく、スムーズに社内ネットワークに接続できました。従来はPCを立ち上げてからネットワークに繫がるまで3~4分の待ち時間が必要だったのですが、ソコワクではすぐに作業ができるなど、多くの点で作業の効率化が実現できています。また、オフラインでも使えるファットクライアントになったことで、飛行機や新幹線など通信に制限のある環境でも快適に作業できるようになりました。これは特に世界中を飛び回るバイヤーから好評ですね。海外からソコワクで社内ネットワークに繋ぐ*社員も増えています」(富田係長)
* すべてのネットワークでの利用を保証するものではありません。接続したネットワークの状況によりご利用になれない場合があります。
PCスペックが大きく向上したことなどもあって、懸案となっていたリモート会議での映像・音声トラブルも大幅に削減されました。AIノイズキャンセリング機能などVAIO独自の機能も合わせ、明確にリモート会議環境が改善された実感があると富田係長は評価します。
「細かな使い勝手に対する評価も上々で、特に画面を180度開いた状態で表示を上下逆転できる機能が対面でのやり取りで活用されているほか、アイソレーション(分離)キーボードが誤タイプしにくいと女性社員を中心に喜んでもらえています。前者については外商部からの評価がとりわけ高く、今後、その美点をより活かすべくタッチタイプのVAIO Pro PKも導入する予定です」(富田係長)

なお、本体カラーリングについては社内ヒアリングを経てアーバンブロンズを選択。他にない個性的な色味でありながら上質感があり、ビジネスシーンにもよくなじむと社内外から好評だそうです。

そして、このVAIO導入が成功したことで、各店舗の店先やバックヤードで使われる7,000台近くのPCについてもVAIOに置き換えることが決定しました。16.0型ワイドディスプレイを搭載するスダンダード大画面ノートVAIO Pro BMが、2025年春頃から各店舗に順次配布される予定です。
「店舗用PCはこれまでもファットクライアントだったのですが、こちらも昨今の用途拡大の流れを受け、会議室などに持っていけるようにしたいという要望がありました。しかし、社内ネットワークの制約上、自由に場所を変えて接続することができない状態でした。そこで、店舗用PCについてもソコワクを全台契約することで、物理的なネットワーク構成に大きく手を加えずに、館内どこからでもセキュアにネットワークに接続できるようにしています」(鈴木次長)

VAIOとソコワクの全社導入によって、ネットワーク環境にとらわれない働き方が実現できたと語る鈴木次長。今後はそれを足がかりに、全ての社員がよりクリエイティブで、より生産性の高い仕事を行える環境作りに取り込んでいくことが情報システム部の役割になると語ります。
「そうした未来を実現するためにも、VAIOにはこれまで以上に我々のニーズに寄り添った製品やサービスを提供していただきたいですね。新たな価値を一緒に作りあげていくことで、お互いにとってWin-Winな未来を作りあげていければと考えています。これからもよろしくお願いいたします」(鈴木次長)
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