法人導入事例 和歌山県上富田町役場様

事務職員のPC1人1台体制を実現し、自治体DXを加速

上富田町役場
総務課長

十河 貴子

上富田町役場
総務課
財政・管財班 主任

中村 元樹

和歌山県西牟婁郡上富田町(かみとんだちょう)は、県南西部に位置し、温暖で自然豊かな環境と優れた交通利便性を併せ持つ町です。住民と行政が力を合わせて取り組む「協働のまちづくり」も高く評価されており、県内・住み心地ランキングでは3年連続1位*を取得。地方の人口減少が社会問題となる中、昭和33年以降、65年以上に渡って人口を増やし続けている希有な事例として注目を集めています。そんな上富田町が自治体DXの推進において、職員向けノートPCにVAIOを選んだ理由とその成果を伺います。

* 大東建託株式会社 賃貸未来研究所『いい部屋ネット 街の住みここちランキング&住みたい街ランキング2024<和歌山県版>』より

大画面VAIO Pro BM導入でペーパーレス化を推進

2020年に策定・公表された総務省「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を契機に、全国でさまざまな取り組みが始まっている地方行政のデジタル活用。もちろん上富田町も例外ではなく、奥田誠町長のもと、2022年から事務職員を対象としたノートPC1人1台体制の実現に向けて動き出しました。その当時について、今回のVAIO導入において中心的な役割を果たした、上富田町役場 総務課 財政・管財班で情報システム周りを担当する中村元樹主任は次のように振り返ります。

「DX推進に向け、すでに一定の成功を収めている先進的な自治体を視察させていただきました。そこで痛感したのは上富田町がこの点においてかなり遅れているということ。ペーパーレスや電子決裁などを活用して業務を効率的に推進する自治体が増えている中、まずは職員のPC環境を一新するところから始める必要があると考えました」

当時の上富田町役場はPCの1人1台体制が確立されておらず、必要に応じて共有デスクトップPCを使う職員もいました。しかもそれらのPCは自治体特有のいわゆる「三層分離(ネットワークを『インターネット接続系』『総合行政ネットワーク接続系』『マイナンバー利用事務系』に分離し、セキュリティーを担保する考え方)」で利用範囲を制限された、極めて使いにくいものだったのです。さらに、現場の業務は「紙」を中心に回っており、会議では資料を人数分印刷して用意し、議事録もほとんど活用されていなかったと言います。

そうした状況を踏まえ、同町総務課長・十河貴子氏は、上富田町DXの第一歩目としてペーパーレスの実現を企図。そのための性能要件として「大画面」にこだわりました。

「町議会に提出する議案書や予算書は見開きでの閲覧を前提にレイアウトされているため、ノートPCで一般的な13.3型ディスプレイでは肝心の数字がほとんど読めなくなってしまいます。そのため、大画面であることはペーパーレス移行に向けた最優先事項でした」(十河氏)

十河氏の要望を受けた中村氏は、自治体での利用を踏まえ、国内メーカー製を前提に機種を選定。ちょうどそのタイミングでVAIOが16.0型ワイド液晶を搭載した大画面モデル(VAIO Pro BM)を出すと知り、具体的な検討に入ります。

「もちろん、大画面以外の点でも、これからDXを推進していく上で足かせにならない性能を備えていることが大前提ですから、16GBメモリー搭載などにはこだわりました。さらに最終決定前には貸出機をご提供いただき細部を確認。品質には期待していたのですが予想以上で、特にキーボードの満足感が高く、作業が捗りそうだと感じました。その上でVAIOならではのものとして感心したのがバッテリーに関した取り組みです。PCはデスク上でACアダプターに繋ぎっぱなしの状態で使用されることが多く、バッテリーの劣化が心配されたのですが、VAIOは充電上限を80%までに抑制することでバッテリー寿命を延ばす『いたわり充電』機能に対応しており、導入したPCを長く使えそうなところが自治体のPCに適していると確信しました」(中村氏)

数千ページの印刷が不要になるなど、業務効率の大幅アップに成功

こうして、2023年末に130台のVAIO Pro BMを導入し、DXに向けて大きく歩みを進めた上富田町役場。懸案であったペーパーレス化については、すでに職員間のやり取りではほぼ実現されているとのこと。十河氏曰く「皆があっと言う間に変わっていった」というほど浸透しており、会議の事前準備などが劇的に楽になったと、その成果を誇ります。

「これまでは準備した資料に不備があった場合、印刷し直して、閉じ直してと膨大な手間がかかっていたのですが、そうした手間がなくなり、明らかに業務の効率化が実現しています。また、年に4度行われる町議会定例会では、その都度、300~600ページもある議案書を議員分・職員分合わせて数十部、つまり各回数千ページを印刷・配布していたのですが、これも職員分については印刷しないことを決定しました。これまで夜間や土日に印刷機をフル回転させて対応させていた時間、費用、手間が削減できたのはVAIO導入の大きな成果のひとつと言えますね」(十河氏)

議会もペーパーレスに前向きなため、いずれは議員分も印刷しなくなるのではないかと語る十河氏。なお、複数のPCを使い分けるなど、かねてよりITリテラシーの高さを発揮し、役場内のDX推進を先取りしていた奥田町長も、VAIO導入によって役場内のペーパーレス化が進んだことを大いに喜んでいるとのことです。

「議会定例会では議場にVAIOを持ち込んで、ペーパーレスで臨んでいますが、以前に使っていたPCと比べて画面も大きく、資料も見やすくなりました。起動や動作もスムーズでストレスなく使えています。VAIOの導入で上富田町役場の働き方が改善され、ひいては町民の皆さまへの行政サービスがより充実したものになっていくことを期待しています」(奥田町長)

和歌山県上富田町 奥田 誠 町長 

「働き方が変わったという観点では、PCがデスクトップ型からノート型に変わったことで、自分のデスクに縛られず、会議室など自由な場所で作業できるようになったことも挙げられます。いずれはこれをフリーアドレスのようなかたちに発展させていけたら面白いかもしれませんね。なお、現在はセキュリティーなどの問題もあって役場外での利用は想定していないのですが、将来的にはリモートワークなどにも対応していければと考えています」(中村氏)

また、中村氏自身の働き方についても、トラブル時に相談者が直接PCを持ち込んでくれるようになり、都度、現場に向かう必要なくなったこと、職員の異動に伴うPCの配置換えなどの手間から解放されたことなどを、VAIO導入に伴う成果のひとつであると評価してくださいました。

VAIO導入に伴うDXの加速が、職員の意識を変えた

すでに十分すぎる成果が現れている上富田町のデジタル活用。その上で十河氏はここまでに挙げた成果とは別に、VAIO導入以後の職員の意識変化について次のように語ります。

「VAIOを導入してからこれまでを振り返り、改めて感じるのが、書類が紙からデジタルに移行したことで、これまでほとんど活用されていなかった資料や議事録の整理・活用が進んでいることです。また、以前から用意されていた共有ドライブ環境もVAIO導入以降、利用が拡大しています。その結果、皆の制作する資料の質が大きく向上したことは極めて大きな成果のひとつと言えるでしょう。なお、上富田町役場では今後、文書管理や財務会計のシステムも電子決裁に対応していく予定です。それに伴い、さらなる業務効率化が図られることを期待しています」

また、今後はDXを住民に向けて発揮させていく取り組みも充実させていく予定とのこと。中でも特に象徴的な施策となりそうなのが、「書かない窓口」の推進です。

「上富田町役場では、昨年、職員が来庁者になりきって行政サービスを利用し、その課題を洗い出す『窓口体験調査』を実施し、改めて、申請時の書類記入が大変だということを認識しました。今後も定期的に調査を行いつつ、VAIOなども駆使して、住民がより苦労少なく必要なサービスを受けられる体制を作っていければと考えています」(中村氏)

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