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PCの買い替え時期は?
減価償却やサポートから考える最適解

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2018年07月25日)より転載
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パソコンをいつまで使って、いつ入れ替えるか。

特に専任担当者を置けないSOHOや中小企業にとって、頭を悩ます問題ではないだろうか。情シスの担当者がいて「5年ごとに更新する」など方針を決めていれば、それに向けて予算を組むこともできるだろう。しかし総務などが兼任する企業では、予算取りだけでなく、一斉にOA用パソコンを入れ替えるのも困難だろう。

ただ、パソコンの入れ替え時期を決める判断をするにはいくつかのポイントがある。それを知っておけば、予算確保や節税対策などもできるはずだ。ここではパソコンの切り替え時期について考えてみたい。

古いパソコンは快適性を下げ、生産性を落とす

Windows 7の延長サポートは2020年に終了する。

いま導入するならWindows 10搭載のパソコンが最適だ。Windows 10がリリースされた2015年に出た、ノークリサーチの調査では、企業の26.5%が「導入済みのパソコンはできるだけ長く利用し、買い替えは極力避ける」と回答していた(参照:ノークリサーチ「中堅・中小企業のIT投資の実感と展望レポート」)。

一般的には、一度購入したパソコンは故障したり、Windows 7のサポートが終了するなど外部的な要因がないと購入しなおすことはないのかもしれない。確かに最近のパソコンは故障も少なく、性能も向上しているため、5年、6年と使い続けていても不満を感じないという人もいるだろう。

その一方で、着実に性能が向上し続けているのもパソコンだ。4、5年経つとさまざまな最新技術が投入されるため、最新マシンと比較すると、かなりの性能差を感じることになる。また、OSやソフトウェアも最新技術を搭載したマシンを基準に開発されるため、古いマシンでもきちんと動作はするものの、動きが遅くなったり、快適性が失われていったりする傾向にある。

たとえば、Wi-Fiの規格としてIEEE 802.11acがある。従来の11nと比較して数倍速い高速通信が可能で、2012年ごろから対応製品は出回っているが、本格的にマシンやルーター、スマホに搭載されだしたのは4年ほど前からだ。最近は仕事でクラウドサービスを活用するなどネットの重要性がより高くなり、大容量のファイルをやり取りすることも当たり前だ。オフィスであれば、Gigabit Ethernetの有線接続を使えばいいと思うかもしれないが、昨今の働き方改革により、オフィスだけでなく外出先や自宅からでも作業する機会は確実に増える。ケーブル接続なしで、持ち運んですぐ使える環境が望ましい。

IEEE802.11ac対応のWi-Fi機器を利用すれば、高速な通信が可能になり、容量の大きなファイルのやり取りも楽になる。写真はバッファローの「WAPM-2133TR」

パソコンはずっと使っていると、その“遅さ”に気が付きにくいかもしれない。比較対象がないため、これが当たり前と思い込んでしまうからだ。しかし、ストレージひとつとっても、HDDからSSDへ、さらにSSDでもSATAからPCIe接続へと移行。OSやソフトの動作に大きく影響を与えている。このように、年々技術が進化する中で、マシンの快適性はかなり変わるのだ。

パソコンのライフサイクルはどの程度が最適か

働き方改革は見方を変えるなら、作業効率の向上だ。時間を有効に活用し、残業を減らす意味でも、定期的なパソコンのリプレイスをするほうが、企業が成長する可能性が増して賢明なのだ。

古いパソコンを使い続けることで、導入コストは削減できるが、長期的な視点で考えると、古いパソコンを使い続けるための保守やサポートのコストが増大してしまう。さらに故障などで業務が止まってしまったら、そこは大きな損失になるだろう。

つまり長く持ち続けるコスト(場合によってはリスク)の増加分と導入コストとの転換点を見極めることが、効率よくパソコンをリフレッシュしていくポイントとなる。

少し古い資料だが、2012年にインテルの試算によるとその転換点は3年だった(参照:インテル「PCライフサイクルの管理:生産性とIT 効率の向上」)。たとえばHDDや光学ドライブといった可動部のある部材は、使用年数が増えれば増えるほど故障する確率は高くなる。光学ドライブならまだしも、HDDが突然読み書きできなくなったら業務に支障をきたしてしまうだろう。

インテルのホワイトペーパー「PCライフサイクルの管理:生産性とIT効率の向上」より引用。3年目が最適な更新期間と示唆

耐用年数に注目して、買い替え時期を探る

ストレージサービスの「Backblaze」は四半期ごとにストレージの故障率を公開している(2018年第1四半期の調査結果)。ストレージサービス会社が導入するHDDは、容量も大きく、耐久性の高い製品が使われているケースが多いが、2013年に発表した故障率の調査結果のときは、容量も小さく一般に使われているものが多いときのもので、それによると、やはり3年を超えると故障率が急激に上がるようだ(参照:Backblaze Blog「How long do disk drives last?」)。

4年経っても80%は壊れないと思われるかもしれないが、その20%があなたのパソコンではないとどうして言い切れるだろうか。壊れてからでは遅いし、仮にデータが失われれば取り返せない損失になる。そういったリスクを回避するためにも、定期的なパソコンの買い替えは必要だろう。

Backblaze Blogより引用。5年まで統計を取っていないが、6年で50%の生存率になると予測

ビジネスPCの場合、メーカー保証はだいたい3年で、必要に応じて4年や5年の延長保証をユーザーが選べるようにしている場合が多い。使っているパソコンに万が一トラブルが発生した場合、こうしたメーカーの保証がないと迅速な対応がなされず、業務に支障をきたしてしまうケースがある。そう考えると、まずは購入時の保証期間が切れたタイミングでマシンを切り替えるのが理想的となるだろう。

税金対策としてパソコンを切り替えていく

一方税制面からパソコンの買い換えタイミングを見極めることも考えられる。購入時の金額によっていくつかの処理方法がある。

  1. 導入時の取得額が10万円未満のパソコンだと「消耗品費」として一括計上できる。
  2. 10万円以上20万円未満の場合は、一括償却資産として、購入した年度から3年間で均等に償却でき、固定資産税の対象外になるメリットがある。
  3. 資本金1億円未満の中小企業で青色申告の場合は、2020年の3月末まで延長された「少額減価償却資産の特例」を利用しない手はない。年間300万円という上限はあるものの、購入したパソコンが30万円未満まで、購入した年度に一括計上できる。
  4. 10万円以上の場合は、固定資産として耐用年数(パソコンの場合4年)にもとづく減価償却処理をする。

※3と4は、固定資産税の対象になるが、課税評価額の合計が150万円未満の場合は非課税となる。

パソコンにおける税制上の処理方法
購入時金額 処理方法 償却期間 条件 固定資産税
10万円未満 消耗品費 一括 対象外
10万円以上20万円未満 一括償却資産 3年 対象外
10万円以上30万円未満 少額減価償却資産の特例 一括 青色申告 対象
10万円以上 減価償却資産 4年 対象

税金を抑えたい中小企業の場合、「少額減価償却資産の特例」を利用して、年度末までに300万円分のパソコンを購入して処理すれば、損金の額に算入できる。1台15万円のパソコンなら20台導入できる計算だ。会社内すべてのパソコンをリプレイスするのは難しいかもしれないが、毎年順次入れ替えることで、税金の優遇を受けつつ最新のパソコンにリフレッシュしていくことができる。

現在Windows 7のパソコンを利用しているなら、2020年までにこの特例を活用して一気にパソコンを入れ替えるチャンスなのだ。

また、1台15万円であれば、一括償却資産として処理することもできる。この場合は、購入金額の3分の1の額(15万円なら5万円)が必要経費として計上されるので、導入したい台数が多ければ、少額減価償却資産の特例と振り分けて利用するのもいいだろう。

もちろん税制面より利益を優先させるのであれば、固定資産として登録するのも1つの手だ。その場合は減価償却期間が4年となるので、4年ごとにリプレイスするのが理想のタイミング。そうすると、パソコンのライフサイクルが決まり予算の編成もしやすくなるはずだ。

型落ち品よりは最新PCを使うメリットも考慮に入れる

パソコン選びのポイントとしては、3年から4年使い続けることを考えて、導入時点で最新スペックのマシンを購入すること。1年や2年前の型落ち製品は、価格が落ちて導入時のコストこそ削減できるが、新製品なのにすでに性能面では1、2年経過しているのと同じで、4年後に買い換えようとしたときには、6年落ちになってることになる。これでは、コストパフォーマンス的にもよろしくない。

このようにPCの保証期間や故障率がアップする経年劣化を考慮しつつ、節税対策をうまく活用して、4年程度で最新マシンへ切り替えて行くのが、ベストといえよう。そのとき選択するマシンとしてVAIOなら、快適性やパフォーマンスを追求し、Made in Japanの信頼性の高い製品なので、4年は安心して使えるはずだ。

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VAIO Pro PF/PGは、第8世代インテルCoreプロセッサー搭載でより高速に。ストレージはPCIe接続の高速SSDを選択可能だ。さらに「VAIO TruePerformance」により、CPUの性能をさらに引き出してくれる。Wi-Fiが11ac対応はもちろん、LTEモジュール搭載可能なので、働き方改革の1つであるモバイルワークに欠かせない通信環境の確保をパソコンだけで実現できる。

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