VAIO × MEDIA

既存の2in1にダメ出しした
「VAIO Pro PA」の“快”答

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2018年11月22日)より転載
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クラムシェルPCの快適性を2in1ノートにも

企業向け「VAIO Pro」の新シリーズとして、11月13日に受注が始まった「VAIO Pro PA」(個人向け「VAIO A12」の企業版)は新しいコンセプトを盛り込んだ2in1ノートだ(最速納入日は11月22日)。

VAIOに限らず、タッチ操作に対応したさまざまな製品が世に送り出されてきた。しかし、デザインや重量、性能などの面で、従来のクラムシェル型ノートと比較したとき、使い勝手を犠牲にしてきた。

たとえば、キックスタンドを採用したタブレットは携帯性に優れるが、キーボードが打ちにくかったり、膝上での利用がしにくかったりする。またキーボード着脱式の機種では、画面を後ろに傾けた際に重心が崩れてしまうため、キーボード部分に重しを入れたり、倒れない角度に留めたり、巨大なヒンジで支えたり……と、クラムシェルPCよりも重量が増す傾向が強かった。

VAIO Pro PAは膝上でも利用できるようになっている

そこでVAIOが考えたのが、クラムシェルタイプのノートでの体験を100%担保しつつ、軽量タブレットによる多彩な使い方を追加した「新しいワークスタイル」を提案できるPCである。そのために新開発したのがStablizer Flapである。

完成形のフラップの形状。薄くて軽いのにかなり強度がある

このStabilizer Flapにより、画面が最大130度まで開いても後ろへ倒れることがなくなった。さらにキーボードが最大8度傾斜することで、タイピングもしやすい無限パームレストを実現している。その操作感は、クラムシェルタイプのPCそのものだ。

最大で開いた状態で画面を押しても、倒れにくい程度の余裕がある

背面もスッキリしていて、フラップがデザイン的にもアクセントとなっている

2in1ノートならではの新しいワークスタイルを提案

画面サイズは12.5インチで、フルHDパネル(1920×1080ドット)を採用。本体サイズは13.3インチのVAIO Pro PGより⼀回り小さい(フットプリントは約305.5×211.9mm)が、同じキーボードを採用。19mmのフルピッチを実現した。キーボードやタッチパッドの性能、フラットアルミパームレストの採用なども、「VAIO Pro PF/PG」と同様だ。

13.3インチVAIO Pro PGのキーボードと同等のサイズ。キーボードの仕様や構造もVAIO Pro PGと同じ

ビジネスで必要なインターフェースはすべて搭載していると言っていい。

VAIO Pro PF/PGと違う点は、USB 3.0端子が1つとなり、USB 2.0端子が2つになったこと。そのかわりに、USB PowerDelivery対応のUSB Type-C端子を本体(タブレット側)に搭載している。この端子は、4Kディスプレーを含めたさまざまなデバイスとの接続を、1つの端子で実現できる便利なものだ。

キーボード部とタブレット部との脱着は非常にスムーズで、リリーススイッチをスライドさせると外すだけ。リリーススイッチはキーボードの上(内側)と、天板側のヒンジ部分(外側)に2つあり、閉じた状態でも簡単に外せる構造になっている。取り付ける際は吸着するようにドッキングするので、かなり楽だ。

ドッキング部分の内部構造を検証するためのクリアモデル。金属を使い強度を高めている。端子の金属部分は、接触時にスライドして汚れによる接点不良にならないようにしている

リリーススイッチは、キーボード側と背面側の2つ用意。画面を開かずとも脱着できる

ワイヤレス接続のキーボードが、新しいワークスタイルを生む

タブレット部は約607g(最軽量構成時)で、厚さは約7.4mmと薄くて軽量。キーボード部は、バッテリー内蔵タイプも用意されていて、その場合は約601gとバッテリーなしモデルに比べると約109gほど重くなるが、暗号化された独自の2.4GHz帯通信によりワイヤレスキーボードとして利用できる。Bluetoothもサポートしているので、対応ワイヤレスキーボードも接続できるが、セキュリティ的には不安なためビジネスでの利用は控えている企業もある。そんな場合でも安心して利用できるのが特徴だ。

ワイヤレスキーボードとして利用できるのは便利。キーボード部分だけが別売り(ワイヤレスキーボードユニットは4万1800円(税別))になっており、拠点ごとに用意しておけば、持ち運びはタブレットだけということも可能に

このワイヤレスキーボード機能により、さまざまなワークスタイルが実現するだろう。たとえば、営業活動でタブレットをスタンドに乗せて画面をお客さんに見せつつ、手元で操作ができる。タブレットを逆向きにしてキーボードへ装着も可能だが、その場合は自分が画面を見られないので、説明しながらキー入力や操作したいときに便利だ。

タブレットを逆方向にドッキングして使うこともできる

また、オフィスでは専用クレードルにタブレットを差し、ディスプレーを接続して大画面で作業するときでも、ワイヤレスキーボードとして作業できる。バッテリー駆動時間もバッテリーなしの約7.4から8.1時間(キーボード接続時)に比べ、約14.4~15時間に伸びる。これだけ時間が伸びれば、出張時でも充電なしで過ごせるだろう。

拡張クレードルは各種インターフェースを装備。価格は2万3800円(税別)

充電に関しても従来のアダプターだけでなく、USB Type-C端子に接続してPD対応充電器だけでなく、スマホやモバイルバッテリー、カーチャージャーといった一般的な5V充電器でも充電可能。充電時間はかかるものの、出張時の荷物を減らせるので非常に有用だ。特に最近のビジネスホテルはUSB端子が備わっていることが多い。USB Type-Cケーブルさえあれば、充電器がいらないことになる。

タブレットのインターフェース。USB Type-Cは充電も可能で、今後主流になる端子の1つだ

キーボードにセカンドバッテリーを搭載されている場合、タブレットが装着されている際には、キーボードからタブレットへ充電。ACアダプターを接続している場合は、タブレット優先で充電するので、常にタブレットのバッテリー不足を解消してくれる。

また、LTEモジュールを搭載可能で、今回からNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの3キャリアに正式対応した。モバイルワークをしたいとき、タブレットだけ持ち出したり、クラムシェルとしてキーボードと一緒に持ち出しても、場所を選ばずネットが利用できる。法人専用のカスタムタブレットケースも用意されており、現場で首から下げた状態で別売のデジタイザースタイラスを使って作業することもできる。LTEモジュールを搭載すれば、Wi-Fiのない環境でも通信でき、本部とのやり取りも容易になる。

デジタイザースタイラスは、ワコム製を採用。筆順・筆圧など署名者固有の情報を記録する別売ソリューションにも対応するので、契約時の署名の証拠能⼒を⾼められ、電子契約などでも活用できるだろう。

4096階調の筆圧に対応したデジタイザースタイラス

最新CPUを搭載し法人向け仕様も用意

CPUは第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載。クラムシェル型のVAIO Pro PF/PGに搭載しているUプロセッサーに対して、省電力性にすぐれるYプロセッサーを採用し、Core i7/Core i5/Core m3/Celeronから選択可能。ストレージは第3世代ハイスピードSSDなどを採用し、メモリーはLPDDR3の4GB/8GB/16GBから選択できる。

タブレットなのでファンレス仕様を採用。アルミとステンレスを組み合わせて強度と冷却をうまく行なっている

法人向け機能としてのこだわりとして、タブレットのオンサイト修理を可能にしたことに注目したい。通常のタブレットではその場での分解が難しいため、引取修理がほとんどだが、VAIO Pro PAはネジ止めとツメのみで脱着可能なため、オンサイトでの修理を実現。外す際にツメが壊れても交換できる仕様にしているこだわりようだ。これで、機密情報がストレージ内に入っていたとしても、社外へ持ち出さずにすむ。

修理時に折れてしまう可能性があるツメは、交換可能な仕様になっている

また、キーボードカスタマイズ機能が用意されていて、キースワップやファンクションキーの追加、ファンクションキーのロック機能などが利用できるため、マシンを移行する場合でも、使い慣れた環境に近づけることができ、作業効率を損なわない。

キーボードとタブレットにはセキュリティーロック機構が搭載されている。そのほか、暗号化SSDやBIOSでのストレージ消去機能などは、従来のVAIO Pro PF/PGと同様。法人用にマシンとして万全の体制になっている。

箱は従来より小さくなり、保管スペースも削減できる

もう1つ注目したいのが、梱包材の小型化だ。CO2削減といった環境対策だけでなく、導入時の保存管理する際もかなりスペースを縮小できるので、情シス管理者にとってはうれしいのではないだろうか。

VAIO Pro PAの価格は12万8800円(税抜・VAIOストア)より。これまでにないワークスタイルを実現するVAIOからの新たな提案は、ビジネスを加速させるチャンス。従来のVAIO Pro PF/PGを含めて、選択肢の幅が広がったことで、よりワークスタイルにあった製品選びができそうだ。

法人向け製品情報

intel プロセッサー・ファミリー

インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。