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コミュニケーションの課題を、
モバイルノートはどこまで解決するか?

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2018年10月31日)より転載
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コミュニケーションはビジネスを成功させるうえで非常に重要な要素となっている。働き方改革の文脈で「モバイルワーク」や「リモートワーク」の導入を進めている企業が増えているが、離れた場所でも必要な情報を共有でき、迅速な判断ができる環境を整えることは極めて重要だ。

パソコン、特に携帯性を重視したモバイルノートはそのために必須のツールだが、ハードを用意するだけでなく、その上でどんなサービスやソフトを選択して、利用するかもまた重要だ。

この記事では、グループチャットツールの代表例である「Slack(スラック)」を取り上げつつ、モバイルノートの機動性を生かした働き方について考えてみたい。

SlackはIT企業で大人気のツールだ。すでに世界で多くの企業が使っているが、日本語版が登場する以前から感度が高く「新しいモノ」が大好きなベンチャー企業が国内でも活用してきた。昨年11月には、ようやく日本語版も登場。日本での注目度もアップしている。いまや、パナソニックやソフトバンク、三井不動産といった大企業も導入しており、インターネットを活用したコミュニケーションツールとしては定番と言える存在になっている。

現在は800万人以上のユーザーが日常的に利用し、7万以上のチームが有料サービスを利用しているという。

メールではスピーディーにいかないコミュニケーション

ビジネスでのコミュニケーションを目的としたツールの選択肢は、「Slack」に限らず、日本発の「チャットワーク」や「LINE WORKS」、マイクロソフトの「Microsoft Teams」などさまざまなものがある。

それぞれに特徴があるが、「Slack」の場合、チャットタイプのグループコミュニケーションを主体としつつ、さまざまなツールやサービスとの連携が可能だ。業務の効率化を図る上で便利なツールと言えるだろう。

Slackは、ブラウザーベースなのでプラットフォームを選ばず利用できる。ただ、より快適に使うのであれば、各プラットフォームに合わせたアプリを導入するのがいいだろう。

スマホなどでの活用も可能だが、パソコン上で利用した場合の利点としては、画面が大きく、キーボードが使える点にある。単にチャットの文字が入力しやすいというだけでない。プロジェクトを進めていくうえで必要なドキュメントを効果的に共有したり、必要に応じて編集したりできるため、時間の短縮やデータの集約がしやすいという点がある。クラウドサービスを組み合わせることで、チャットを使ったリアルタイムに近いコミュニケーションを軸にしながら、そこで議論された課題や、具体的な成果としてできたデータをすぐに共有できるからだ。

これまでの企業では、業務上のやり取りをメールで済ませるケースが多かったのではないだろうか。

ビジネスマンであれば、メールアドレスはまず間違いなく持っているものなので、取引先など、外部とのやり取りに使う分には便利なツールかもしれない。しかし、社内やプロジェクトチーム内でのやりとりとなると、1日に何十通ものメッセージが飛び交うことになる。返信するたびに引用文が伸びていったり、あまりにも数が多くなって「あの件については、いつのメールで書かれていたのだっけ?」と探すのに手間取ることも多いだろう。

コミュニケーションや情報の共有をメールだけで進めようとすると、かえって面倒になってしまうはずだ。

Slackは会話だけでなく、あらゆる情報を集約する場

そこで主流になりつつあるのが、チャットツールの導入だ。

「チャット」自体はパソコン通信の時代からあるもので、とくに目新しいものではないが、スマホやSNSが発達した現在では、場所を問わずにリアルタイムコミュニケーションが取れるツールとして再評価されている。

チャンネルは、ワークスペースのメンバーなら誰でも閲覧できる。プライベートに設定すれば、限られたメンバーだけの場にも可能だ

Slackは1対1のコミュニケーションとしても活用できるが、複数人、つまり招待された人が参加できる「ワークスペース」を作って使うのが一般的だ。

「チャンネル」と呼ばれる部屋を作って管理し、プロジェクトや業務内容、組織別などに分け、メンバーを割り振ってコミュニケーションに使う。顧客やパートナーなどと協業する場合は、社内に限らず、外部のメンバーも招待可能だ。会社の垣根を超えたプロジェクトの遂行にも役立つだろう。

チャンネルは会議室やオフィスにあるちょっとした打ち合わせスペースのようなものだと考えればいいだろう。会議では議題に対してディスカッションをしたり、資料を配布したり、場合によってはホワイトボードを囲んで理解を深めたりすることが必要だが、こういった機能はすべて用意されている。

写真や図面などを表示した画面を共有(有料版)した議論もできるなど、1つのツールで必要に応じて使い分けられるのも作業効率アップにつながるだろう。

一方でリアルの会議で必須となる、実施する前に参加者の時間を調整したり、資料を紙に出力したり、決まった場所に人を集めたりする手間は不要だ。

インターネットに接続できる機器を持っていれば、どこからでも議論に参加できるし、仮に途中からプロジェクトに参加する人がいた場合でも、過去の議論は見返せる。リアルタイムで打ち合わせに参加できなくても、決定に至った経緯が分かる点もいいところだ。

細かなやりとりはログを見返せばいいし、Google ドキュメントのようなクラウドサービスに決定事項を都度都度、記載していけば、資料配布の手間も必要ない。LINEなどのSNSでは、参加した時点からの会話しか見られないが、Slackではそんなことはない。

こういった情報共有をメールでやろうとした場合は、かなり煩雑になるはずだ。議論の経緯をまとめて全員に送る必要があるし、添付して資料を共有した場合にはバージョン管理や、添付されたメールを探す手間が発生する。また、メール返信で議論が再度発生してしまった場合、重要な情報が埋もれがちだ。

ダイレクトメッセージは、個人宛てでも複数の人宛てでもできる

音声通話も可能。無料版だと1対1だが、ビデオ通話もできる

Slackのようなチャットツールを使えば、何か疑問が生じた場合でも、議論を遡っていくだけで自分で解決できる場合が多いし、必要に応じて、個人あるいは複数の人に対して、直接メッセージを送ったり、音声やビデオ通話に切り替えて、質問することができる(無料版の場合は1対1のみ)。

また、アプリを使えば自分宛てのメッセージを通知してくれるので(ブラウザーでも通知可能だがブラウザーを起動している必要がある)、受ける側も見逃すことが少ない。プロジェクト単位、あるいは自分がすぐに回答しなければならないものが見つけやすいので、メールのように、不必要なメッセージを除外するために、1日のうちかなりの時間を浪費するといったことも減るだろう。

さまざまなプラットフォーム用にアプリを提供。ビジネスで利用するには十分だ

メールにはないリアルタイム性と平行作業のしやすさ

メールにはない利点についてもう少し詳しく書いておこう。。

 Slackはメンションで指定した相手に呼びかけられる。つまり、すべてのメッセージに反応する必要はなく、自分宛の「重要なメッセージ」のみに対応すればいい。メールでは、届いたメールすべてを開いて確認しなければ、自分にとって重要なメールなのかどうかがわからない。結果、頻繁に作業が中断してしまう。通知が来たときだけSlackに反応すればいいし、メールのように決まり文句的な挨拶なども省略でき、本題だけを返せる。モバイルノートであれば文字入力もたやすいので、あっという間に返信できてしまうはずだ。

送る際には、メンバーがオンラインなのかがすぐにわかる。急用があればメッセージを直接投げて確認できるし、電話のように相手の作業を遮ることもない。会話のほうが伝えやすい場合も、一度メッセージを投げて、相手の準備ができてから、ビデオ通話にするなどすれば、相手の都合に合わせて用件を伝えられる。これをメールでやろうとすると、ツール間の行き来やレスポンスを待つ時間などが必要になる。

本格的に使いこなすなら、一覧性の高いパソコンはやはり使いやすい

Slackは、さまざまなプラットフォームで利用できる。

しかし、ある程度、本格的に使いこなそうとしたら、スマホよりもパソコンの大画面があったほうが非常に役立つというのが筆者の考えだ。

パソコンを使う利点としては、平行した作業のしやすさがある。

例えばSlack上で会話のテキストをやりとりしながら、資料を一緒に確認したり、決定事項をGoogle ドキュメントなどに記載していくのはスマホでは現実的ではない。また、複数のチャンネルを行き来したり、通知が来たときに、どこのチャンネル、どこのワークスペースなのかをすぐに把握しようとした場合も、スマホの小さな画面では限界がある。

PC版のアプリを利用すれば、複数のワークスペースに参加していても1つのアプリで管理でき、ワークスペースごとにすべてのチャンネルがが表示されるので、とても見通しがよい。仮にWindowsを使っているのであれば、タスクトレイに常駐させておき、いつでもアクセスできるようにしておくのがいいだろう。

左側に、参加しているワークスペースが並ぶ。それぞれログインするので登録したメアドが違っても大丈夫。

作業する場所が自由なモバイルワークでも、モバイルノートとSlackの相性は非常にいい。メッセージのやり取りだけなら、スマホでも問題はないが、ファイルが添付されていたり、リンクが張られていたりすると、急に使い勝手が悪くなる。例えば、内容は確認はできるものの、それを直接編集して返すのは難しいし、そんなときだけパソコンを開いて作業する……というのは非常に効率が悪い。

また、ビデオ会議をする際にも利点がある。声や映像のやりとりだけなら、スマホのほうがやりやすいケースが多いと感じるかもしれないが、バッテリーを消費するし、会議中に電話がかかってきたりするといった不便さがある。

ただでさえ小さい画面に、さまざまな通知が表示されては落ち着かないはずだ。その点、モバイルノートとSlackの組み合わせであれば、作業をしつつ会議もでき、通知があっても画面が広いので邪魔にはならない。もちろん、スマホで作業するメリットもあるが、モバイルノートとの使い分けは考えたほうがいい。

Slackには、アプリを追加して連携する機能もある。

利用できるアプリは1500以上にも及び、APIを利用して自社用に機能追加することも可能だ。アプリとの連携としては、たとえばGoogleカレンダーと連携して、カレンダーを共有したり、リマインダーを設定して、チャンネルのメッセージとして投稿するといったものがある。こうすれば、メンバー全員がスケジュールを認識できるし、ToDoの確認などもしやすいだろう。

また、ツイッターと連携すれば、ツイッターに投稿されたツイートをチャンネルに自動で投稿したり、ツイートを共有したとき本文と添付メディアを表示するなどが可能になる。

SlackのサイトにAppディレクトリが用意されている。ここから必要な機能を見つけ出して追加することで、連携可能となる

このように、アプリとの連携をしていくことで、さらに作業効率を加速させられるし、従来にはない使い方もできるだろう。

先日Slackは、メールアプリの「Astro」を吸収することを発表。AstroはAstrobot Slackアプリを提供しており、Slackとメール、Office 365もしくはGoogleのカレンダーと連携できるようにしている。この吸収により、チャットにメール、カレンダーといったビジネスコミュニケーションの要を手に入れ、相乗効果をもたらすことになるはずだ。

これまでメールを主体にしつつ、グループウェアなどで情報管理をしてきた企業にとって、チャットツールの導入は革命的と言えるかもしれない。プロジェクト業務の議論を白熱させるだけでなく、他愛もない会話から生まれるアイデアを足掛かりに、プロジェクトを立ち上げることもできる。

会議室でみんな集まって議論することも大切だが、部署の壁を取り払って集うチャンネルを作ったり、SNSやウェブで収集したネタを投稿しあうだけのチャンネルを作り、そこからアイデアの芽を探したりといったライトな使い方も可能だ。

Slackで、すべての情報を集約しコミュニケーションの場にすれば、さまざまなツールやサイトを立ち上げずにすむ。ここはマルチスクリーンが利用できないモバイルノートでは嬉しい部分である。

このように便利なSlackだが、その活用にはモバイルノートを常にインターネットにつなげる環境を整える必要がある。マシン選びの際はLTEモジュール搭載したモデルを選ぶのが最適だ。

外出先での簡単なやりとりなら、スマホでも十分だが、モバイルワークするならモバイルPCでの作業がいちばん。VAIO ProならLTE通信可能でどこでも作業できキーボードの質は逸品

まずは無料で使ってみて作業効率化を図ってみる

最後にSlackの導入方法についても紹介しておこう。

導入はいたって簡単で、まずSlackのサイトから「ワークスペースを新規作成する」をクリックし、メールアドレスを登録後、各種設定をしていけばワークスペースを作成できる。

Slackのサイトから「ワークスペースを新規作成する」を選択すると、メールアドレスの登録からまず始まる

登録したメール宛てに確認コードが送られてくるので、それを入力

名前を登録し、パスワードを設定する

ワークスペースの名前をつける。会社名でも店名でも団体名でもなんでもいい

ワークスペースのURLを指定する。すでにたくさんのワークスペースが存在するので、ユニークな名前を見つけ出そう

あとからでも可能だが、メンバーのメールアドレスを登録して同時に招待できる

以上でワークスペースが誕生し、Slackの利用が開始される

あとは、プロフィールを設定したりチャンネルを設定したり、アプリ連携を設定することで、より使いやすくカスタマイズしていくことになる。招待状を受け取った側は、名前とパスワードを入力すれば、すぐに参加できる。

最初は、簡単な使い方の説明が表示され、その後各種設定を行なう

招待されたメンバーはメールのリンクをクリックすると、ワークスペースへの登録が始まる

名前とパスワードを設定。その利用規約の確認がある

ここでメンバーの招待も可能。ここでは「後で」を選択

ワークスペースへアクセス可能になる。プロフィール設定などをして、アイコンを変更するといい

法人向け製品情報

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