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日本メーカーのパソコンを選ぶ意味は、
本当にあるのか?

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2018年07月20日)より転載
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法人向けパソコンは個人向けパソコンとは同列に語れない

高性能なスペックや華々しいデザインなどが重視される個人向けパソコンに対して、企業が導入するパソコンは異なる評価軸がある。

企業では、評価/調達/運用/廃棄など一連のライフサイクルに沿ってパソコンを導入していく。数百台から数千台の規模での導入になれば、一括して購入することはまずなく、数ヵ月から十数ヵ月の期間を掛けて段階的に導入を進めていくのが普通だ。

3大トラブルが発生していない率、トップは……

週刊BCNの調査によると、VAIOは導入企業からバッテリー、液晶画面、キーボード、起動・電源、Wi-Fi接続などのトラブルが発生していない割合が非常に高いという結果が得られたという。

週刊BCN (2018年1月号掲載)のデータから ※主要8メーカー(DELL、HP、Lenovo、NEC、VAIO、東芝、パナソニック、富士通)、サンプル:482名(メーカー間での重複回答有り)、調査期間:2017年10月27日~ 2017年10月30日

また、サポートに関する評価も1位になるなど、満足度も総じて高い。企業がマシンを導入する際の決め手となるのは何だろうかと考えたとき、一番にくるのは、やはりコストになるかもしれないが、さまざまな取材の経験を踏まえて考えると、しっかりした企業ほど、働き方改革=ワークスタイルに合った機種の選定を考えたり、導入時の負担の軽減やカスタマイズ性を求めている。またコストに関しても単純な初期導入コストだけでなく、従業員の労働意欲なども含めた生産性や、修理などでロスする時間の価値などを拝領しているようだ。この観点から、日本のメーカーのPCにこだわる企業も多い。

この記事では、なぜVAIOが選ばれるのかを筆者の視点でまとめてみた。

サポートや保守の問題もあり、半年程度でモデルチェンジがどんどん進んでいくのは好ましくない。モデルが変われば、業務に必要なソフトやサービスがきちんと動くかの検証が再び発生してしまうし、そもそも導入を進めている間にモデル供給が止まってしまう可能性もある。機種の種類が増えればサポートの負荷も増す。実際に導入したパソコンは4~5年程度は使うことになるから、1年程度壊れなければいいという、個人向けとは異なるサポートも必要だ。

以上のことから一般的に法人向けパソコンでは、1モデルの寿命が15ヵ月程度と比較的長く設定されている。また画面サイズは違うが中で使用しているチップセットやCPUなどを共通化してラインアップを形成しているメーカーもあるが、これも検証や導入の手間を省くためだ。内部が同等なら、ドライバーやOSイメージに加え、ACアダプターなどの周辺アクセサリーも共通化できるためいろいろと都合がいい。

保守も3年、4年、5年……と長い延長サポートのメニューが用意され、業務を止めないためのオンサイト修理なども用意されている。加えて急な追加が必要になった場合の即納体制や、企業の事情に合わせたイメージファイルの作成といった技術的なサポートなど、企業対企業のやり取り(メーカーと導入企業にシステムインテグレーターなどが入る場合も多い)なども発生する。

スペック的には大きく変わらないと感じるかもしれないが、売り方や製品企画の考え方は個人向けと法人向けで大きく変わる点はまず押さえておきたい。

VAIOが国産である意味を考えてみる

VAIOはソニーからの独立を機に、安定した法人需要にこたえる製品企画にシフトした。定評ある軽量性や高性能といった特徴はそのままに、製品サイクルを長く設定したり、11インチ、13インチで内部の仕様を統一したりといった、上で述べたような法人向けパソコンに求められる要素を段階を追って取り入れてきている。

そんな取り組みが功を奏してか、法人導入のためにVAIOを選びたいという声も少しずつ増えてきているようだ。特にここ数年は国内PCメーカーの再編が進み、特に法人向け市場では、もともと米国に拠点を置くグローバルブランドの存在感が強い。さらに旧来の国内ブランドも中国や台湾など海外資本の傘下に入るケースが増えており、純粋な意味での国産ブランドが減ってきている流れがある。

ブランドが多彩で競争原理が働き、独自の品質基準、モノづくりへの工夫など、品質・信頼性の高さで、もともと国産ブランドへの期待感は大きかった。とはいえ、上に挙げた状況の中、設計や生産、部品調達などすべてを国内完結できる企業というのは少ない。単純な価格だけで切れば、グローバル市場をターゲットにした海外ブランドのほうが優位な面もあるだろう。

では、なぜ国産なのか? ひとつは日本ローカルの事情を考慮した品質基準や検証を行っている点だろう。海外メーカーの製品もさまざまな試験をクリアした製品であることに間違いはないが、日本のメーカーはさらに一歩踏み込んで、日本の風土やマシンの扱われ方などを考慮した品質チェックが行なわれている場合が多い。

また満員電車での移動を考慮した堅牢性や軽量性、常時接続性、長時間のバッテリー駆動など日本人気質というか、こだわりなどユーザーの声を反映した商品企画がなされている点は大きな魅力と言えるだろう。

VAIOを例にとると、安曇野にあるVAIOの工場では、設計と品質管理、カスタマーサポートを担当している部署が同じ工場内にあり、品質試験やユーザーからの声は、すぐに設計へと反映できる体制になっている。

ペンを挟んで、圧力をかけている。普通はここまでの品質チェックはやらないが、VAIOはあらゆる事態を想定して取り組んでいる

ホコリもVAIO独自のものを使っている

品質試験もかなり過酷で、高温多湿な環境での動作や、満員電車で受ける圧力を想定した試験、ノートPCのキーボードと液晶の間にペンを挟んで無理やり閉じるという、傍から見ていてもPCが可愛そうと思えるようなことまでチェックしている。また、日本のホコリに合わせた試験も行なっている。このあたりは海外メーカーでは真似のできないところだろう。

しかしながら、そのあたりの品質試験については、あまり多くは謳われてはいない。エンドユーザー目線でものづくりをしており、そんなことは当たり前といわんばかりのこだわりようだ。

故障の少なさは、TCO削減につながる

その一方で国内のパソコンは、品質は高そうだが、価格がデメリットだと言われることが多い。それは一面では間違っていないが、必ずしもそうとは言えない。なぜなら企業導入を考えた場合に重要なのは、TCO(トータルコスト)であり初期導入コストではないからだ。

品質や信頼性が高く、4年、5年というPCのライフサイクルを無故障で乗り切れれば、ハードそのものを入れ替えるコストが抑えられるだけでなく、修理依頼による作業時間の損失といった人的なコスト、機会損失も防げる。トータルコストで考えれば、初期投資が多少高くても結果として元が取れる計算になるだろう。

また数値化が難しい部分だが、仮に故障した場合でも、日本国内でサポートしてくれたほうが納期も早く、意思疎通で齟齬が出にくいという面があるだろう。このあたりはカタログスペックなどでは推し量れないが、ベンダーの質が最も如実に出る部分ともいえる。

ここも日本企業の事情を熟知した、日本メーカーのPCを選ぶ理由の1つになるはずだ。VAIOの場合、オンサイトサービスも行なっているが、センドバックする場合でも安曇野工場に送られてすべて日本で対応する。熟練の技術営業部隊が取り組んでくれるので安心感が高い。また、海外へ輸送することもないので、その分の時間も短くて済むというメリットもある。

安曇野にあるVAIOの工場。ここに設計も品質管理もユーザーサポートもあり、横のつながりも強い

キッティングサービスの充実がポイント

導入の決め手の1つとして、導入支援サービスを挙げる企業も多い。今やイメージのカスタマイズは必須だし、手数の足りないIT部門の負担を軽減するため、納品されてすぐ使用者に渡せる体制になっていることが求められる。

企業がマシンを導入する際は、BTOのようなレベルではなく、より高度で柔軟性の高いカスタマイズやサポートが必要になってくる。そのあたりの柔軟性は、海外メーカーではなかなか話が進まなかったり、対応させるためにはロット数が膨大だったりして、かなり難しいようだ。実際導入事例を取材していると「日本メーカーは親身になって対応してくれる」と話す担当者に出会う機会が多い。

最近取材した事例では、シンクライアントの導入を考えている企業があった。一般に販売されているマシンでは対応できないため、専用に生産してもらう必要がある。前回株式会社JSOLの事例を紹介したが、海外メーカーはコストを考えると有利ではあるけど、こうした融通に合わせてもらえる柔軟性が乏しいため、日本メーカーにお願いせざるを得ないようだ。

VAIOの場合、従来シンクライアントで利用されてきた「Windows Embedded OS」に代わり、「Windows 10 IoT Enterprise」での対応をサポート。ハードウェアの製造工程は変わらず、キッティングにより中身の部分を変更するだけのため、柔軟な対応が可能となりメーカーの要望に応えられる体制を整えている。VAIOはJSOLとの取り組みで、ある意味新しい事例を作ったと言えるが、こうした対応は、国内生産であり、国内サポートだからこそできることである。

キッティングは、なにもシンクライアントのためのものだけではない。企業がマシンを導入するにあたり、面倒な初期設定をマシンに精通しているメーカーが直に作業してくれるため、安心かつ情シスの負担を大幅に軽減してくれるものだ。マシン導入支援をSIerやキッティング専門業者に委託している場合は、企業用にカスタマイズする上で何度かメーカーとやり取りするケースがある。そのため、メーカーが直に作業するよりも大幅に納品の時間がかかってしまう。

また、メーカーに導入時のキッティングを任せておくと、たとえば最初に導入したマシンと同じ状態のものを、あとから購入したいといったことも対応可能となる。OSをカスタマイズして企業が使うアプリケーションを組み込んだ状態のイメージを作成できるのもメーカーならではなので、企業にとってはメーカーがキッティング対応してくれるところを選ぶのが必然になってきている。

 VAIOも法人向けに力を入れたときに、いちばん注力しているのがこのキッティングサービスだ。ソニー時代はコンシューマー系に強いイメージが強く、VAIOに変わってからも最初のころはそのイメージを引きずっていた。それを払拭するためにも法人営業とともに法人対応の要となるキッティングサービスを作り上げてきたのだ。すでに導入企業の7割がこのキッティングサービスを利用しているといい、エンドユーザーと直接コミュニケーシを取ることで、ミスも減り、納品までのスピードも変わってくる。企業にとってはメリットしか見当たらない。

キッティングサービスは、生産後すぐに作業へ入れるのがメーカーならでは。企業の要望を柔軟に応えられるよう努力している

所有欲を満たすデザイン性と使い勝手

最後はやはりスペックだ。特にモバイル性へのこだわりである。

モバイル性の高さ、特に軽量さは特に日本のユーザーがこだわっている点で、海外ブランドにはない日本ブランドの特徴と言える。

さらに働き方改革が叫ばれている昨今、どこでも仕事ができる環境を構築しようと、マシン導入の選定に悩んでいる企業も多いことだろう。持ち運びを考えると軽量かつ高剛性で、できれば通信モジュールを備えているマシンがいい。しかし、そのようなマシンとなると、かなり限られてくる。VAIOはそのあたりが考えられており、軽量でかつ高剛性で、デザイン性も高く、キーボードの質の高さやインターフェースの充実など、エンドユーザーに満足のいくモノづくりをしている。

そのあたりはソニー時代から変わらないVAIO魂であり、他社には負けない部分である。

チルトアップすることで、キー入力をしやすくする機構や、キータッチの良さはVAIOならではのこだわり

LTEモジュールを搭載可能で、働き方改革を推進する企業にとっては大きな強み

個人でマシンを購入するときは、そのマシンに思い入れを感じているはず。それは仕事でも同じことで、渡されたマシンに思い入れを感じなかったら、仕事もそれなりになるだろう。愛着が生まれるマシンで、社員のモチベーションや満足度を高めてこそ、そのマシンを使って作業する意欲がわいてくるはずだ。

日本のメーカーが日本の企業のニーズをくんだ設計・つくりこみをすることで、海外メーカーにはないモノづくりで差をつけている。Made in Japanの日本品質であることも選定時の安心材料であり、すべての要素を満たすVAIOが、導入企業から高い評価を得ていることもうなずける結果である。さまざまな努力の甲斐あり、法人にも認知されつつあるVAIO。数少ない純日本メーカーとしてがんばってほしい。

法人向け製品情報

intel プロセッサー・ファミリー

インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Celeron、Celeron Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Ultrabook、Iris は、アメリカ合衆国および/またはその他の国における Intel Corporation の商標です。

※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。