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Core i5をi7より速くする
「VAIOの高速チューン」を検証、効果を実感!

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2018年01月29日)より転載
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1月18日に発表された第8世代インテルCoreプロセッサー搭載モデルのVAIO Pro PG/ PFは、単なる最新世代のCPUを搭載しただけではなく、独自チューニング「VAIO TruePerformance(以下VTP)」を施してきたことで、注目を集めている。今回は、VTPの実力を検証するとともに、オススメ構成をご紹介しよう。

VAIO S11には新色ピンクも投入され計5色になった(ALL BLACK EDITION含まず)。法人向けには用意されてはいないが、個人的には企業で導入してもいい色だと思う。

ベンチマークでわかったVTPの効果

今回新たに選択できるようになったのは、Core i7-8550U(1.8GHz / 最大4GHz)とCore i5-8250U(1.6GHz / 最大 3.4GHz)の2つ。CPUが第8世代になったため、メモリー周りも代わり、転送速度が1866MT/sから2133MT/sにアップ。重量は、サーマル部品の追加により約10gアップしている。

サーマル部品の見直しは、VTPのためだ。前回の記事で仕組みを紹介したが、VTPはインテルターボ・ブースト・テクノロジー2.0の動作において、よりパフォーマンスを向上させるようCPUパッケージパワーのリミット値を調整している。それに伴い電源の強化と放熱用のヒートパイプの熱輸送力を従来より33%向上させ、放熱用フィンの熱交換率を10%向上させている。ファンの回転数テーブルのチューニングも施しているが、この放熱力を向上させるための重量アップだ。

サーマル部品の見直しと電源の強化によりVTPを実現している。

第7世代インテルCoreプロセッサーのときに、なぜVTPができなかったのかというと、それはコア数が関係している。第7世代で採用されたプロセッサーは、Core i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz)とCore i5-7200U(2.5GHz/最大3.1GHz)で、いずれも2コア4スレッドだった。今回採用された第8世代は先述のとおりCore i7-8550UとCore i5-8250Uで、いずれも4コア8スレッドになる。第8世代のほうがコア数は倍になったので、基本動作周波数は抑えられているが、実はこれがVTPを生み出した秘密なのである。

CPUは、電力を増やすと動作周波数が上がりパフォーマンスがアップする。インテルターボ・ブースト・テクノロジー2.0もこれを利用して、一時的に電力を増やすことで最大のパフォーマンスを発揮させる。ただ、そのままでは発熱により動作を維持できないため、持続可能なパフォーマンスまで落とすことになる。電力を上げたとき、パフォーマンスは比例してアップするのではなく、対数関数的に変化するので、1コアあたり同程度電力を上げても、パフォーマンスの増加は動作周波数が低いほうが上がり幅は大きくなる。第7世代の2コアより第8世代の4コアのほうが動作周波数は低いため、第8世代のほうが上がり幅は大きくなる。しかもそれが4コアぶんなので、大きな効果も期待できるわけだ。このため、上がり幅が低く2コアだった第7世代は、あまり旨味がないのでVTPの適用は見送られたのだ。

VTPの概念図。VAIOのサイトより。

実際、Core i7-8550U 搭載モデルでVTPをオン/オフしたとき、動作周波数にどのような変化があるのかCPU-Zを使ってチェックしてみた。アイドル状態だとどちらも800MHzから1GHzあたりで動作していたものが、負荷をかけると(ここではCPU-Zでストレステストを使用)ターボブーストが掛かって最大動作周波数までアップ。その後、持続可能になる周波数まで落ちるが、このときVTPオンとオフの差が200MHz程度違っていた。

ストレステスト中にCPU-Zで各コアの動作周波数をチェック。VTPオンとオフでは200MHzほど違った。

VTPのオン/オフは、VAIOの設定ツールの「CPUとファン」で「パフォーマンス優先」にするとVTPがオンになる。第7世代でもこの設定があるので、Core i7-7500U搭載モデルでも同様に測ってみたところ、「標準」と「パフォーマンス優先」の差は30MHz程度とごくわずかだった。

VAIOの設定ツールの「CPUとファン」の項目で、VTPのオン/オフがいつでも設定できる。

第8世代と第7世代のVAIO Pro PFのベンチマークテストを行なった。ACアダプターを接続した状態で、第8世代はVTPオンとオフ、第7世代は「パフォーマンス優先」でのみ計測した。

まず、CPUの性能差が見えるCinebench R15を使って計測。VTPありとなしでも差が付いたが、コア/スレッド数が違う第7世代とは大きな差が開いた。今回、Core i5-8250U搭載モデルをお借りできなかったため比較できなかったが、VAIOによるとVTPありのCore i5-8250UがVTPなしのCore i7-8550Uを上回る結果が出ている。Core i5-8250UとCore i7-8550Uでは、コア/スレッド数は同じだが、最大動作周波数にかなり差があるため、すべてのアプリケーションで上回るわけではないが、レンダリングやRAW現像、エンコードなど長い時間負荷がかかるような作業では有効だろう。

Cinebench R15のCPUの結果。VTPオン/オフでは数値以上に差がある。

Cinebench R15のOpenGLの結果。意外とVTPオン/オフで差がついた。

VAIOのサイトより。VTPによりCore i5がCore i7より高速に。

アプリケーション動作を模したベンチマークのPCMarkでも同様の結果。3DMarkはTIME SPY 1.0でテストしたが、グラフィックスがCPU内蔵なためスコア的にはVTPオンでも418とあまり振るわなかったが、今回はCPUスコアに注目し比較している。PCMark10よりはハッキリと差が開いており、VTPの効果とともに第8世代の速さが実感できる。

PCMarkでの結果。アプリケーション動作を模したテストなので、VTPが効いているところとそうでないところがあるようだ。

3DMarkでは、全体のスコアではなくCPUのスコアを比較。

CPU-Zでもベンチマークテストを行なったが、こちらはVTPオン/オフの差がほとんど出なかった。むしろVTPオフの方が、数値がよいことも。これは、ベンチマークテストの時間が短いため、ターボブーストが働いているうちに終了してしまうケースがあるため。このように、VTPは何でも速くなるというわけではなく、長く負荷がかかるような処理に有効だということがわかる。

CPU-Zのテスト結果は、VTPオン/オフではあまり差がつかず。

4年前のマシンとの差は歴然。そろそろ買い替え時期

VAIO Pro PG/PFシリーズの購入を検討する会社は、おそらくライフサイクル的に買い替え時期に来ているケースが多いことだろう。今回、4年ほど前の第4世代インテルCoreプロセッサーを搭載したVAIO Pro 13をお借りして、どのくらいの速度差が出るのかも検証してみた。Core i7-4510U搭載モデルなのだが、32ビット版Windows 7搭載なため、64ビットのWindows 10搭載マシンとは直接比較は難しいが、参考にとどめておいてほしい。

「VAIO Pro 13」。第4世代インテルCoreプロセッサー搭載で、この世代のマシンを使用している企業は多いはず。

ベンチマークテストには32ビットでも64ビットでも動作したGeekbench 4を使用。このベンチマークテストはさまざまな計測を行ってトータルのスコアを出すが、短時間での計測が多いため、VTPオン/オフの差はあまり現れない。結果は、それでもしっかり差が出た。4世代前との比較もマルチコアスコアは圧倒的差があり、作業効率を考えると買い換え時期といえる。また、搭載のSSDのベンチマークも行なっている。SSDの接続方法が違うが、この速度差はデータの読み出し、アプリケーションの起動速度に大きく影響するため、この点でも導入時には最新SSDを選択したいところだ。

Geekbench 4で計測した結果。世代差は歴然。

VAIO Pro 13(左)とVAIO Pro PF(第8世代・右)に搭載されているSSDの速度比較。圧倒的大差。

第8世代VAIO Pro PG/PFのオススメ構成

新たな第8世代インテルCoreプロセッサー搭載モデルの性能を理解していただけたと思うが、ではどのような構成がいいのだろうか。もちろん、すべて最高のスペックを選択できればいいがコストの兼ね合いもあるので、ここではオススメの構成を紹介する。

オススメ構成
CPU Core i5-8250U(1.6GHz / 最大 3.4GHz)
メモリー 8GB
SSD 第三世代ハイスピードSSD(NVMe対応) 256GB
指紋認証機能 あり
LTE あり
TPMセキュリティチップ 搭載
合計金額 20万4800円(税別)※VAIOストア価格

上記スペックはぜひとも抑えておきたいところ。CPUをCore i7-8550Uに変更するとプラス2万円、メモリーを16GBにするとプラス3万円だ。CPUとメモリーどちらか一方ならメモリー増加のほうをオススメしたい。

指紋認証とLTEは生産性をアップする重要な要素なので外せない。

Core i5-8250Uをチョイスしたのは、先述のとおりVTPオンでVTPオフのCore i7-8550Uの性能を超えるので、CPU性能的には十分と判断。もちろん、VTPを使うことによりバッテリー駆動時間が減ることになるが、VAIOの設定ツールでACアダプター接続時とバッテリー駆動時で、「CPUとファン」の設定が別々にできるので、ACアダプター接続時は「パフォーマンス重視」(VTPオン)、バッテリー駆動時は「標準」(VTPオフ)にしておくと、その都度設定しなくても最適なパフォーマンスで利用できる。

期末に向けて予算が余っていたり、4月に新入社員を迎えるに辺り新たにマシンを導入を検討している企業、マシンのライフサイクルが4年以上になる企業は、働き方改革を推進すべく、第8世代のVAIO Pro PG/PFシリーズの導入を検討してみてはいかがだろうか。

法人向け製品情報

intel プロセッサー・ファミリー

インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。