VAIO × MEDIA
VAIO Pro PF / PGは買えば
無料でLTEが体験できる、速度も計測した
株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2017年11月09日)より転載
※掲載されておりますサービス内容、料金などは、掲載日または更新日時点のものです。
VAIO × MEDIA
株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2017年11月09日)より転載
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新VAIO Proシリーズは、11インチモデルの「VAIO Pro PF」、13インチモデルの「VAIO Pro PG」がLTEモジュールを搭載可能となった。これまでLTE搭載モデルは11インチのみだったので、2モデルから選択できることになる。
ビジネス視点で見れば、よりテレワークやモバイルワークの幅が広げられそうだ。今回は、新VAIO ProのLTE性能やWi-Fi機能など、テレワークに必要な通信周りの本当のところをレポートしていく。
まず、なぜLTEモジュール搭載で、SIMフリーのモデルをオススメするのかから。
一昔前ならパソコンを使うのはオフィスが中心で、仮にノートを持ち運ぶにしても、オフィス内の自席と会議室を行き来するなど、屋内での利用がほとんどだった。外出先で利用する頻度はそれほど多くはなかった。LTE接続可能なノートは以前からあったが、キャリアとの契約が若干面倒な面もあり、Wi-Fi中心のネット接続があればいいと考える人が中心だっただろう。
WANの通信機能を搭載したノートPCを購入するよりは、スマートフォンのテザリングを利用したり、モバイルWi-Fiを別途契約したり、あるいはWi-Fiが使える施設を活用するなどすれば十分だったのだ。
転機が訪れたのが、MVNOによる格安SIMの登場だ。
キャリア契約より圧倒的に安く利用できるため、ノートPCのために新規に契約してもかなり経費を安く抑えられる。さらに毎月10GB、20GBが定額で使える大容量タイプのプランが登場した。この容量を複数の従業員とシェアして利用できたり、年間契約にして月ごとの使用量の増減を気にすることなく効率よく管理できる。さらに使用量をその都度チャージして、使い切るプリペイドタイプが出てきたりと、サービスの種類も確実に増えてきている。
しかしLTEモジュールが搭載されているとどこにメリットがあるか、あるいはどうやって使うと便利なのか、意外とわかっていない人も多い。というのもVAIOの調査によると、VAIO S11のLTEモジュール搭載モデルを導入したにも関わらず、LTEで通信したことがない人が25%もいたという。
今後利用するかもしれないということで、LTEモジュール搭載モデルを購入したのかもしれないが、いま使わないひとが、あとで使うのかは疑問だ。おそらくLTEで通信するメリットを感じていないのではないだろうか。
ノートPCにLTEモジュールが搭載されていることで、それまでのネット接続とは別世界に感じることだろう。オフィスではWi-Fiでネットに接続。オフィスから離れて持ち歩いたとき、作業しようとノートPCを開いたとき、LTE搭載なら何も気にせずそのまま仕事ができる。Wi-Fiのみを搭載したノートPCでは、モバイルWi-Fiにしてもテザリングにしても、接続するまでに一手間かかるものだが、まったく不要なのだ。
机に座ってディスプレーを開き、指紋認証でロック解除。するとすぐにLTEによる通信が開始し、ネットへアクセスできる。
Wi-FiとLTEは自動で切り替えてくれるので、たとえば外出先やテレワークで自宅作業といったときでも、Wi-Fiが利用できるところでは1度接続設定をし、自動接続にしておくだけで、次からはWi-Fi電波を拾ったらLTEから切り替えてWi-Fi接続になる。もちろん、Wi-Fiの電波を拾わなくなったら自動的にLTE接続になるので、シームレスでネット利用できるわけだ。この快適さは一度味わってしまうと、LTE搭載ノートPC以外は選択できなくなるはずだ。
Wi-Fiの設定で自動接続にしておけば、電波を拾った際自動的に接続される。LTE通信をしていても優先的に切り替わる。
設定の「ネットワークとインターネット」にある「携帯電話」に、「Wi-Fiではなく携帯ネットワークを使用する」という項目がある。ここで「Wi-Fiの状態が悪い場合」になっていれば、電波感度が悪くなると自動的に携帯ネットワークへ切り替えてくれる。
VAIOは、このLTEを利用する快適さを少しでも多くの人に味わってほしいと考えている。
新VAIO Pro PF / PGシリーズのLTEモジュール搭載モデルを購入すると、標準でWindows 10のデータプラン対応のSIM「Cellular Data for VAIO」が同梱されている。
Windows 10のデータプランとは、プリペイドタイプのSIMを活用したWindows 10の機能の1つで、Windowsストアのアプリ「有料Wi-Fi&携帯ネットワーク」から通信容量を利用する分だけその都度購入できるもの。
同梱されている「Cellular Data for VAIO」SIM。特に契約の必要はなく、SIMスロットに差すだけで利用できる。
最大の特徴は、このSIMを差しておけば、日本だけでなく海外の主要エリアでもそのまま利用できる点だ(ただし海外でのSIM利用はメーカー保証外)。付属するのは、フランスの電気通信事業者であるTransatel社が提供するグローバルローミングSIMで、海外に行った際でも、現地のSIMを購入して差し替える手間が必要ない。仮に通信容量が底をついていても、LTE接続できる場所なら、「有料Wi-Fi&携帯ネットワーク」で必要容量を追加購入できる。
SIMを差すだけで、APN設定などが必要ないのもいい。
SIMスロットは裏面にあり、ここに同梱のSIMを差すだけ。
電源を入れて起動すると、まずワイヤレスWANのファームウェアのアップデートがかかる。
最初は圏外と表示され認証にしばらく時間がかかる。あせらずに1~3分待とう。
今回同梱されているSIMは、最初の接続から1ヵ月間に1GBまで無料で利用できる体験版。このため、購入して差すだけで1GB分が即利用できることになる。仕事でも役立つ容量だ。LTEのメリットを十分に感じ取ることができるだろう。
接続されると、残り容量も表示される。どのくらい利用しているのかもひと目で確認可能だ。最初の接続から1ヵ月間で1GB利用できる無料体験が可能。
「残量の表示」をクリックすると、「有料Wi-Fi&携帯ネットワーク」アプリが起動し契約内容とともに残量が表示される。
追加の容量購入は、「有料Wi-Fi&携帯ネットワーク」アプリをから必要なプランを選んで購入するだけ。決裁はWindowsストアの支払いと同じ。
海外ローミングを使用しているため、現状は通常のSIMより速度は出ないが、年末に向けて改善される予定だ。
新VAIO Pro PF/ PGシリーズに搭載されているLTEモジュールは、以前のモデルとは異なり、対応バンドがかなり広がっている。国内の3大キャリアのLTEはほとんどカバーしている。以下に対応バンドの一覧を紹介しよう。
VAIO Pro PF / PGシリーズの対応バンド。
また、キャリア・アグリゲーション(CA) カテゴリー9にも対応し、下り最大450Mbps(理論値。上りは最大50Mbps)を実現。通信環境がよければ、自宅のWi-Fi並で利用できることになる。アンテナの位置も最適化されていて、電波の受信感度もアップ。電波をしっかりキャッチできる。
アンテナはLTEとWi-Fi用がディスプレーの上部に組み込まれている。
格安SIMは、法人向けにも提供されており、たとえばBIGLOBEモバイルの法人向けは、データSIMが3GBプランで月額700円(税別・以下同じ)。別途法人向けならではのサポートや管理が可能になるBIGLOBEオフィスサービスの月額費用などがかかるものの、それでもかなりお得だ。
また、VAIOでも「VAIOオリジナルLTEデータ通信」SIMを提供している。年間契約のプリペイドタイプで1年間32GBが1万4200円。3年間プランまで用意されていて、毎月通信料を精算せず、1度に経費精算できるので処理がラクな上、予算も立てやすいのが特徴だ。とくに毎月の使用量が不安定な企業にオススメだ。
「VAIOオリジナルLTEデータ通信」のプランと価格。
実際にLTEの通信速度をSpeedtest.netでテストしてみた。使用したのはドコモ系のMVNOのSIMで、場所は渋谷駅。
計測場所や時間帯、サーバーの混み具合によって速度に差はある。
LTEに関心が集まりがちだが、Wi-Fiの方も新機能が追加された。
IEEE 802.11ac/n/g/b/aに対応しているのは従来と変わらないが、複数の端末が同時接続しても速度が落ちにくい「MU-MIMO」に対応した。MU-MIMOとは、11acの拡張機能で従来のMIMOでは1対1の通信しかできない。そのため複数のデバイスが接続すると、分割してそれぞれのデバイスにデータを送る。結果、同時接続数が増えれば増えるほど、接続切り替えのラグが生じていた(速度が遅くなっていた)。
これを改良したのがMU-MIMOだ。アクセスポイント側が複数のアンテナを備え、複数の通信ができるようになった。複数のアンテナを1つのデバイスが専有することなくデバイスの性能に応じて通信するため、効率よく通信できる。結果として速度の低下を抑えられるのだ。
ただし、アクセスポイント側も利用するデバイス側もMU-MIMOに対応している必要があり、恩恵を受けるためにはそれなりの投資が必要な場合もある。しかし、オフィスで通信が重い環境では仕事は捗らず、結果効率が悪くなるわけで、徐々にでもいいのでMU-MIMO環境を導入していくのが吉となることは間違いない。
Wi-Fiで接続した際の通信速度をSpeedtest.netで計測。場所は筆者自宅。
なお、最近の無線LANルーター(アクセスポイント)では、MU-MIMO対応が標準になりつつある。部署単位や自宅での利用なら、VAIOの導入を含めて通信環境の見直しも並行して実施するといいだろう。
このように新VAIO Pro PF / PGシリーズは、通信周りがより一層強化された。
特に「Cellular Data for VAIO」のSIMが同梱され、1GBが無料で使えてしまうので、SIMフリーLTEモジュール搭載モデルを導入後すぐに試せるのが特徴だ。あとは利用環境によって格安SIMを導入したり、年間契約のプリペイドタイプにしたり、もちろん「Cellular Data for VAIO」を使い続けてもいい。
働き方改革でテレワークやモバイルワークが当たり前になる時代。LTEモジュールを搭載したVAIO Proシリーズの導入はアドバンテージとなり、企業全体の改革推進に寄与することだろう。
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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。