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VAIOが約2年ぶり進化、
新VAIO Pro PGはLTE対応で「常につながる」

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2017年10月06日)より転載
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VAIOは、2015年12月の法人向け「VAIO Pro 13 | mk3」(個人向け「VAIO S13」)以来、実に1年10ヵ月ぶりに新製品を発売した。新たな13インチモデルの名称は「VAIO Pro PG」(個人向けは「VAIO S13」)と、これまでの数字表記ではなく英語表記に改められた。今回は新生「PGシリーズ」についてじっくり紹介する。

SIMフリーLTE搭載で新たな試みも

今回のコンセプトは「VAIOらしいPC」であり「生産性を高める次世代の働き方を創る」こと。基本的に個人向けのVAIO S13と法人向けPGシリーズでは製品的にほとんど違いはないが、法人向けを重視し、「安心」「継続」「信用」をキーワードに正統進化させている。ユーザーからの声としては、「LTEモジュールの搭載」と「バッテリー駆動時間の改善」にいちばん要望が多く、今回はその点に関して改善されている。

いちばんの注目は、なんといってもLTEモジュールの搭載だ。これまで「VAIO Pro 11 | mk2(VAIO S11)」には内蔵されていたが、今回13インチモデルにも搭載されたことで、より一層ネットワーク接続に強いモバイルPCとして進化し、選択肢の幅が広がったといえる。今回搭載されたSIMフリーLTEモジュールは、従来のものと違い、さらに受信周波数帯の幅を広げ、国内の主要キャリアを網羅。もちろんキャリアアグリゲーションに対応し、下り最高450Mbpsに高速化している(従来は150Mbps)。SIMスロットもカバー付きとなり、SIMカードが飛び出す心配がない。

スロットは、背面からSIMを差し込むが、カバーが付いたことで不意なSIMの飛び出しを抑制することになった。

そして新たな取り組みとして、LTEモジュール搭載モデルには、Windows 10のデータプランに対応したSIMカード「Cellular Data for VAIO」が同梱される。

実はVAIO S11でLTE対応モデルを購入した人を対象に、SIMカードをどのように入手するかアンケート調査したところ、約25%人が当面SIMを入れて使用する予定はないと解答。LTEモジュール搭載モデルを購入したにも関わらず、1/4の人が使用していないという実態を踏まえ、モバイルPCでLTE通信ができる快適さを実感してもらうべく、SIMを最初から同梱するようにした。

LTE搭載モデルを購入すると同梱される「Cellular Data for VAIO」のSIMカード。

Windows 10のデータプラン(Cellular Data)とは必要なぶんだけ容量を購入できる、モバイルネットワーク接続の販売サービス。Windows 10に組み込まれた機能のため、特に設定の必要もなく、Wi-FiスポットやLTE通信が可能だ。Cellular Data for VAIOは、フランスの電気通信事業者であるTransatel社が提供するグローバルローミングSIMで、日本国内のサポート対応は株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が担当する。1GBが無料で使える(有効期間 接続後1ヵ月間)ので、購入者は誰でもLTE通信を試すことが可能。モバイルPCでLTE通信が利用できる便利さを実感してもらえるわけだ。

Windows 10のデータプランは、SIMカードを差すだけで認識して接続。最初の接続から1ヵ月間、1GBの容量を無料で使える。

容量を使い切ると、Windowsストア経由でチャージできる。LTEがつながる環境ならどこでも購入可能だ。

プリペイドタイプなので、必要なときに必要なぶん、いつでもどこからでもチャージできる。無料で使える容量が切れてしまったらチャージして引き続いて利用が可能。もちろん、別のMVNO事業者に乗り換えたいという場合は、各社が販売している月額固定容量のSIMを新たに導入してもいい。

よりVAIOらしいデザインを求めて

続いて外観をチェックしていこう。前モデルVAIO Pro 13 | mk3と比較して、ディスプレーを閉じた状態だとあまり違いがわかりにくいが、細かい点でデザインを変えている。天板は従来通りマグネシウム合金を採用。今回LTEモジュールが搭載可能となったため、ディスプレー上部に配していたWi-Fiアンテナを含め、より効率よく配置。電波を通すためのポリカーボネート素材の切り掛けも、一直線にスパッと両サイドまで伸ばしスッキリさせている。

天板だけ見ると、アンテナ部分の切り掛けとサイドの処理が変更に。素材は従来と同じマグネシウム合金。

サイズはおよそ幅320.4×奥行き216.6×高さ15.0~17.9mmと従来機とほとんど変わらない。重量もLTEモジュールぶん増えているにも関わらず、1.06kgと据え置きだ。ディスプレーを開くと、フラットアルミパームレストになったキーボード部が目に飛び込んでくる。従来はキーボード部とパームレスト部が別パーツに分かれていた。1枚のアルミに変わったことで、アルマイト染色による塗装の耐久性も上がった。デザイン性の向上はもちろん、汚れも拭き取りやすく、熱もこもりにくくなっている。

パームレストがキーボード部分も含めて一体化。「フラットアルミパームレスト」と呼んでいて、デザイン的にもスッキリした。

キーボードは前モデルで好評だったキータッチ音の高音域をカットし、耳障りなカチカチ音を低減する仕様はそのままに、さらに改良を施した。キートップの下部分をパームレスト部より0.2mm下げることで、キートップを外れにくくするとともにホコリの侵入を軽減する効果がある。さらに、パームレストの剛性が上がったことで、歪みがすくなくなり、よりタイピングしやすくなっている。

キートップに指紋がつきにくいなどの処理は同じ。キーピッチやキーストロークは変わらず、アルミフラットによる剛性感のアップでより打ちやすくなっている。バックライトも搭載。

細かな配慮もVAIOならでは。ヒンジチルトアップ機構により、キーボードを快適に打てるよう傾斜が付くが、従来機より1.6度角度をつけ、より快適な入力環境を追求している。本体手前のパームレストの高さも0.9mm低くしており、より段差を低くすることで、手首の負担を軽減するよう配慮した。

傾斜をつけることで、手首への負担を軽減。VAIO社内で実験し打ちやすい傾斜を導き出した。

キーボードは、日本語キーボードのほか、USキーボードを用意。カスタマイズモデルを選択することで、より使いやすい環境を手に入れられる。また、キーボードの右下には指紋センサーを搭載。タッチ式センサーでWindows Helloにも対応している。ログイン時やロック解除などで利用できる。セキュリティをより強固にするだけでなく、パスワードをその都度入力する手間から開放され、よりスピーディーに作業へ入れる。

要望の多かったUSキーボードを用意。

指紋認証のセンサーをキーボード右下に搭載可能。タッチ式でスマートフォンと同様の操作でログインできる。

タッチパッドは従来から引き続き、2ボタンを採用。クリック音は静かになっている。タッチパッド部分は「VAIO Pro 11 | mk2(VAIO S11)」で採用し好評な高精度タッチパッドを採用。誤タッチ防止やWindows 10の各種ジェスチャー操作にも対応している。

2ボタン式は従来と同じだが、タッチパッドは高精度タッチパッドに変更。ボタンのクリック音も抑えている。

インターフェースは、従来機を踏襲。HDMI端子とVGA端子の両方を備え、USB3.0端子は3つ。SDメモリーカードスロットにGigabit EthernetN端子とビジネスで利用するにあたって必要十分な装備だ。細かい違いとしては、ヘッドホン端子が右側から左側に移っている。

左右のインターフェース。ヘッドホン端子の位置が変わった。

ディスプレーは、解像度こそ従来のフルHDと変わらないが、上下左右ともに85度の広視野角液晶を採用。より見やすさを向上せている。その上にあるカメラの横にマイクを2つ備えた。左右に到達する音の時間差を用いて音の方向を特定し、その音以外の暗騒音を低減。スピーカーは手前の底面に配置されていて、音がよく響くようになっており、Web会議時に威力を発揮する。

カメラの両側の穴がマイク。より聞きとりやすい音声に。

スピーカーは手前底面の左右に配置して、よく聞こえるようになった。

バッテリー駆動時間の向上も、嬉しい進化

次に中身に目を向けてみよう。

CPUは第7世代インテルCoreプロセッサーを搭載。Core i7-7500Uプロセッサー、Core i5-7200Uプロセッサー、Core i3-7100Uプロセッサーのほか、Celeronプロセッサー 3865Uの中から選択可能。

メモリーは4GB/8GB/16GB、ストレージは、SATA(6Gbps)接続のSSD 128GB/256GBのほか、PCI Express×4(32Gbps)接続の第3世代ハイスピードSSD 256GB、第3世代ハイスピードプロSSD 512GB/1TBと幅広い選択肢の中から選べるようになっている。SSDに関しては、暗号化機能付きSSD(TCG Opal v2.0準拠)も選択可能の予定(2017年12月を予定)で、このSSDを選択することで、パフォーマンスの低下を抑えつつ、常に暗号化されることで、セキュアな環境を保つことができる。

セキュリティチップのTPM 2.0の搭載も選択可能となり、データを高速に完全消去する「Phoenix SecureWipe」にも対応。BIOS画面から実行でき、SATA SSDの場合、約2秒という超高速で消去できる。

バッテリー駆動時間は、公称で現行S13の9.8~10.5時間から11.7~12時間とかなりアップした。

実際にCore i7-7500U、SATA SSD 128GB、メモリー16GB搭載モデルでBbenchを使って計測したところ、12時間6分7秒を記録。液晶バックライトの輝度を20%、Wi-Fi通信をし、LTE通信は使用していないので、LTE通信をすればもう少し短くなると思われるが、十分な駆動時間を確保している。

このように、ユーザーの声を反映しつつ正統進化を遂げた「PGシリーズ」は、さまざまな選択肢が増えたため、BTOの幅は従来の276通りから768通りへグンと広がった。

以前の記事でさまざまな試験をクリアしたことを紹介したが、あらたに水をキーボードにかけても3分間は動作する試験を追加。作業中に水がかかっても、データを保存する時間があり、データを守れる。

安曇野工場での組み立て比率を上げた、日本生産のVAIO

また、外観を中心に重要な部品は国内で調達することで、従来の海外で行なう組み立て比率を下げ、安曇野工場での組み立て比率を上げることで、国内で検品をする一般的な「安曇野Finish」以上の高品位を担保。これにより「MADE IN JAPAN」を謳えるようになったことも大きい。国内生産に比重を置いたことで、組み合わせによっては納期の短縮ができ、サービスや顧客満足度の向上にもつながるのではないか。

ボディーカラーは、ブラックとシルバーの2色を用意。

「VAIO Pro PG」は11万8584円から。働き方改革を前進させるためにモバイルPCの導入は不可欠だ。LTEモジュールを搭載したVAIOなら、これまで以上にモバイルワークがはかどるはず。キッティングやソリューション提案を含め企業導入もこれまで以上に力を入れており、新生VAIOの導入を検討する価値は高い。

法人向け製品情報

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インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。