開発ストーリー Vol.01 VAIO Pro PCの本質に、迫れ。

VAIOがお勧めするWindows.

  • プロダクトマネージャー 林 薫 商品ユニットI
  • プロジェクトリーダー 市川 英志 商品ユニットI
  • 企画 伊藤 好文 マーケティング・セールス & コミュニケーション部
  • 企画 小笠原 勉 マーケティング・セールス & コミュニケーション部

「スマートフォンやタブレットが急速に普及し、その機能が拡張している時代に、PCの存在価値を示したかった」(企画 伊藤)。 後にVAIO Proと名付けられるPCを世に出した開発チームは、PCの定義を一から考え直し、ある一つの答えを突き詰めようとしていた。白熱した議論は連日絶え間なく続き、季節は秋から春へ。ここから進む途方もない道のりの指針となるコンセプトだからこそ、チームは納得いくまで話す必要がある。最初は雑談しながら自由に思考を膨らませ、徐々に絞っていく。リーダーは次々に出されるアイデアのすべてに耳を傾け、リードし、最良のバランスを見極める。「アイデアをあれもこれもと採用するわけにはいきませんから、若手には噛み付かれましたね」(PL 市川)。年齢や社歴に関係なく、個々がプロフェッショナルとして最高のものをつくろうと意見を戦わせる。信念がぶつかり合う。それが、安曇野という現場の当たり前でもある。やがて、「仕事で本当に使えること」「ならばキーボードは譲れない」など、全員に共通するビジョンが見えてくる。スマートフォンもタブレットも手軽で便利だけれど、得意不得意がある。長時間、人が集中したり、何かを創造する行為を真に助けるには、オーソドックスなスタイルが力を持つのではないか。そこで開発チームが掲げたのは「究極のクラムシェル」。それはまさに、究極への挑戦の始まりだった。

”究極のクラムシェル”をつくろう

クラムシェルとは、貝殻のようにヒンジ部分で二つに折りたためる形状を指す。一見すると、至極ベーシックなノートPCである。そんな普通のテーマのために半年も議論したのか、と思われるかもしれない。だが、「開発には大きく二つの方向がある」(PM 林)。一つは、PCとタブレットをワンタッチで行き来するような、新しいかたちにチャレンジして、新しい使い方を提案していく方向。こちらはある意味、わかりやすくPCの未来像を見せられる。もう一つは、圧倒的な成熟。 派手さや奇抜さに頼るのではなく、型を守りつつ進化させる方向。たとえば歌舞伎でも、型があってはじめて型破りなものができる。古い殻を突破できるのは、型を極めた者だけだ。VAIO ProはPCという道具の本質に迫り、究極の使いやすさを目指した。企画担当やデザイナー、PMから出される要望について10数名のメンバーで議論を始めた頃、「そんなのできるわけない!」という声が上がることもあった。製造やサービスの現場にのしかかる困難が、痛いほどわかっているからだ。それでも、使い勝手を維持したまま、薄さや軽さを限界まで追い込む。よい部分を伸ばしながらも研ぎ澄ませる。悩みに悩み抜いた先で、少しずつ可能性が開けてくるのだ。

VAIOらしさとは何か。

プロジェクトが立ち上がる際に開発チームは、カスタマーサポートセンターで集めた前の機種からのフィードバックやアンケートに、細かく目を通す。自分たちが世に出した製品がどのように評価されているか。何が喜ばれ、何が残念に思われているかを知るのは大切だ。すべてのアンケートを数値化すれば、今、求められているものの傾向は把握できる。かと言って、ただデータに従ってつくれば、いいPCがつくれる訳ではない。設計担当だけでなく、VAIOにかかわる全員が日常の業務でPCに触れている。職種をかぎらず、「自分の仕事で使いやすいPCのかたちは?」と多くのメンバーにヒアリングしたことが、VAIO Proのヒントとなった。メーカーの立場でしか出せない視点と、一人の生活者としての視点、その融合こそが肝心なのだ。たとえば、「待たされるとイライラする」という“コト”はアンケートから拾える。一方で、PCIe SSDのように、すごく読み出し速度が優れた“モノ”がある。使う人にとっての気持ちよさを具体的に考えたとき、実は、CPUの速度が上がるだけではPCとしての使いやすさは大きく変化しない。PCIe SSDのように高速なストレージを採用し、初めてPCのレスポンスが上がり、使っていて気持のよいPCになる。そんな風に、両方を並べてみないと繋がらないコトとモノを繋いで、ようやくVAIOらしさが生まれてくる。

世界最軽量が目的であってはならない。

モノとしてのVAIOと、それを使う人の関係について、端的に示す考え方がある。VAIO Proは、11インチクラスでタッチパネル機能搭載のUltrabookとして、世界最軽量を記録した。けれど、「世界最軽量は“究極のクラムシェル”を実現するうえでの一つの手段、これが目的と勘違いしてはいけない」(PM 林)。世界最軽量を記録することは、ある種、エンジニアの夢であり、純粋に挑んでみたいと思うもの。しかし、その結果できた製品は、使う人にとってどうなのかと必ず立ち止まってみる。ビジネスシーンでの使い勝手を想像すれば、持ち運びやすさは外せない。つまり、モバイル性を追求する目標値として、初めて世界最軽量に挑む価値が出てくるのだ。当然だが、最軽量の記録のために、使いやすさやパフォーマンスを犠牲にしてはいけない。すべては使う人にとって何が嬉しいのか。その意識は、現場の全スタッフに徹底されている。また、VAIO Proの11インチと13インチの内部構造を比べれば、レイアウトが全く違うことが一目瞭然。バッテリーのセル形状も違う。通常、PCの開発においてはまず小さいサイズをつくり込み、後から拡張するケースが多い。そうすると、どこかに妥協点が出てしまいがちだが、VAIO Proの開発では両者が同時進行で、各々で最適設計を行った。「培ってきた技術と経験を一台一台に落とし込み、 一人ひとりに寄り添う。それがVAIO Proの品質へのこだわり。VAIO史上でも、使いやすさを極めたVAIOと言えます」(企画 小笠原)。使いやすさを極めた、その自信はVAIO Proの細部に宿る。

(2014年8月29日掲載)

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