ふたつの使命を授かり、ライブな挑戦を続ける男
永田暁彦が取締役副社長を務めるユーグレナは、2005年に世界ではじめて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功している。それを支えたのは、日本の研究者たちによる「挑戦のリレー」だった。
「ユーグレナは、培養技術が完成したから立ち上げたのではありません。『絶対に大量培養を成し遂げよう』と自分たちを追い込むために立ち上げた会社です。その情熱は、ミドリムシ研究の権威である大阪府立大学・中野長久名誉教授をはじめ、日本中の研究者にも届きました。中野先生が『若い彼らに力を貸してやってくれないか』と各方面の先生方に声をかけてくださったおかげで、ユーグレナは何十年にもわたる研究の成果であるデータを受け継ぐことができました。研究のリレーの最終走者として、世界ではじめての大量培養というゴールテープを切るに到ったのです」
ユーグレナ取締役副社長/リアルテックホールディングス代表取締役 永田暁彦
「食物連鎖の最下層に位置するミドリムシは、その栄養価の高さゆえにバクテリアやプランクトンにとってもごちそうになります。外部から他の微生物が侵入すると、たちまち食い尽くされてしまうのです。そのため、世界中の研究者が大量培養に成功することができずにいました。
ユーグレナが成功したのは、発想の転換があったからです。『異物を混入させないクリーンな環境』ではなく『ミドリムシ以外は近寄れない環境』を目指しました。例えるなら、『蚊帳で囲った空間』ではなく『蚊取り線香を置いた空間』。大量培養の研究をはじめてから3年後に、挑戦は実を結びました」
以来、ユーグレナはユーグレナ・クロレラを活用した機能性食品や化粧品などの開発・販売のほか、バイオ燃料についての研究を行ってきた。18年には日本初のバイオ燃料製造実証プラントを竣工し、20年にユーグレナバイオディーゼル燃料が完成している。現在、バス、配送車、フェリー、タグボートなどへの供給を拡大中だ。
圧倒的なイノベーションを目指した挑戦の最中には、とかく肯定と否定が渦巻くものだ。
「『飛行機を飛ばす』という挑戦をユーグレナが始めた際には、『頑張れ!』と『詐欺師だ!』という声が同じくらいの大きさで聞こえてきました。しかし、挑戦とは、そういうものだと思っています。批判が起こるくらいの挑戦でなければ、挑戦ではないのです」
そして、有言実行のときが来た。今年の3月、ユーグレナは航空機用の「バイオジェット燃料」を完成させたのだ。この燃料によるフライトを年内に実現するべく、現在、航空運送事業者や航空局などとの最終調整を進めている。
永田は、財務と経営戦略の両面からユーグレナを支え続けてきた。東大発のバイオベンチャーとしてユーグレナがはじめて東証一部上場を果たしたとき、「これから先の挑戦者は、僕たちが救わなくてはならない」という想いに駆られたという。
その純粋なる想いを熱源にして、ヘルスケア、バイオ、エネルギー、ロボットといった「リアルテック(オンラインで完結しない技術)」の領域でベンチャーを支援するファンドを立ち上げ、自ら代表に就任し、日本における次世代の最先端技術育成にも力を入れ始めた。
「素晴らしい研究なのに、それが世に出ていない。予算や人材などのさまざまなハードルがあるために、サイエンティストたちの挑戦が次のステージへとつながっていかない。そういう現状を打破するためには、シード期から伴走してくれるファンドの存在が必要なのです」
ベンチャーに投資するファンドを運営しつつ、自らも現役で一部上場企業の経営層として仕事を続ける者を探すのは難しい。永田は、日本のビジネス界で稀有なる存在だ。彼はそれを自認していて、世界をよりよい方向に変えていくことを自らに課せられたレスポンシビリティ(業務遂行責任)として一心に向き合い、自分自身の挑戦を常にライブな状態にしておくことで、挑戦する人間に共感したいと考えている。
「挑戦を行うために、僕たちが大切にしているものは、熱です。熱は、それに接したものに伝導していきます。だからこそ、挑戦も人から人へと伝わっていくのだと思います。
挑戦者の相棒となるべく生まれたノートPC
ユーグレナの事業を前進させることに留まらず、日本のリアルテックベンチャーの最先端技術を前に進めるために、いま、まさに「挑戦」を続けている永田。そんな彼の目に、「挑戦に火をともそう」をブランドミッションとするVAIOのフラッグシップモデル 新「VAIO Z」はどのように映ったのか?
「VAIO Z」は、これまで難しいとされていた「カーボンファイバーに曲げ加工を施し、ボディ全体を覆うという立体成型フルカーボンボディ構想」をはじめ、数々の挑戦の成果として生まれた。
フルカーボンボディの実現は堅牢性と軽量性を高めたばかりか、スペックには載らないオーラさえも醸し出すことに成功している。「その風格と品位のレベルは、理性だけでなく感性にまで訴えかけてくる」と永田は語る。
「このボディは素材の開発や加工から塗装まで、優れた技術の集積によって生まれているのがよくわかります。基礎研究をしっかりと積み重ねてきた結果であり、世界に先駆けて日本で生まれた数々の技術が『VAIO Z』の存在を下支えしていると感じます。
その一例が内部のスイッチング素子に窒化ガリウム(GaN)を採用することで劇的な小型化に成功したACアダプターだと思います。私は、リアルテックファンドで窒化ガリウム単結晶をつくるベンチャーに投資しています。その技術が、このPCにも活用されている。すなわち、このPCにも『挑戦のリレー』がつながっている。そう気づいたときには、胸が高鳴りました。日本のサイエンティストの挑戦が集積された『VAIO Z』は、僕にも大いなる力を与えてくれます」
世界ではじめての*立体成型フルカーボンボディが、この新しい「VAIO Z」の存在を眩しくしている。14型のディスプレイを搭載しながら、驚くべき軽さ(最軽量構成時 約958g)を実現しながら、並外れた強靭さ、圧倒的なパフォーマンスや長時間駆動など、本来なら相反する要素を、これまでの限界を超えた高次元で共存・成立させた。
* ノートPC筐体を構成するすべての面で、立体成型を行ったカーボン連続繊維素材を使用することにおいて。2021年1月6日時点 ステラアソシエ調べ。
「リモート」や「移動」が新しい働き方のキーワードになっているいま、永田は「日々のアウトプットにおいてノートPCが果たす役割は大きくなった」と感じているようだ。
「海辺の自宅と都内の会社を往復する毎日のなか、私が使用するノートPCは移動の頻度が高く、距離が長くなります。「VAIO Z」使ってみて実感したのは、筐体の薄さと軽さからくるモビリティとパフォーマンスが高いレベルで両立していることです。軽くて持ち運びがしやすいのに、画面も大きく、デスクトップにも劣らない性能を発揮してくれます。 高い堅牢性と長時間駆動(最大で約34時間)も毎日の移動に安心感をもたらしてくれますね。
なによりも永田が感動したのは、「VAIO Z」の設計思想だった。
新しい「VAIO Z」が目指したのは、「オンリーワンのアウトプットに挑戦する人々に、いま創り得る最高のコンピューティング体験を提供する」こと。これまでの常識を破り、デスクトップ級の高性能を誇るプロセッサーを採用しながら、1kg以下の本体質量(最軽量構成時)を実現したのもそのためだ。
TDP 35W駆動の第11世代インテル® Core™ プロセッサー Hプロセッサーラインを搭載。ベンチマークテストでは一般的なノートPCに採用されているプロセッサーと比べ、CPU性能で約1.8倍、GPU性能で約1.6倍もの差が生まれている。
ハイパフォーマンスCPUを載せるためには、放熱機構の性能を高めなければならない。ヒートパイプやファンを強化する必要があるが、そうすると当然ながら重量は増える。一般的な薄型ノートPCに採用されていない理由はここにある。
「VAIO Z」ではカーボンファイバーの採用により、軽さを担保しながら、「VAIO」が世界に誇れる冷却性能とチューニングによって、CPUとGPUの性能を限界まで引き出す挑戦に成功した。優れた放熱設計を施すほど、ノートPC全体の性能は上がる。
時間を惜しんで仕事に励み、挑戦を続けているビジネスアスリートは、常在戦場の精神を片時も忘れない。
「『バイオベンチャーの取締役副社長』と『投資ファンドの代表取締役』を務めるにあたり、僕の脳みそは常に右へ左へと行ったり来たりしています。いつも感じているのは、『集中力が高まっている状態の1秒は本当に大事だな』ということです。『VAIO Z』なら、ゾーンに入っている自分の熱が冷めることはありません。OS/アプリケーションの起動や、データのコピー/保存など、全ての動作が早く、待たされることがほぼありません。考えごとをしながら席を離れたときも、人感センサーと指紋・顔認証の優れた連携で、着席とともにスムーズに業務を再開できます。パソコンの都合で自分の思考が途切れることはありません。自分の限界がくるまでシームレスに考え続けられます。これにより、さらなる挑戦へと触発されるのです」
「VAIO Z」は高性能プロセッサーの搭載だけではなく、メモリー、SSD、接続端子など、すべてのスペックにこだわり抜き、並外れたスピードを実現。第5世代移動通信システム「5G」や「Wi-Fi 6」にも対応し、ネットワークの接続性やスピードの問題も解決した。挑戦者の相棒たりえる性能が、このコンパクトな筐体に詰め込まれている。
キーストロークは約1.5mm。しっかりとした打鍵感を感じられる。キートップ天面が中央に向かって緩やかにくぼむ「ディッシュ」の深さはおよそ0.3mm。これによって指先とキーのフィット感が高まり、ミスタイピングを減らす効果も創出。さらには、キーを打ち込んだときの静音性も高めている。画面を開けた際にキーボードの奥が立ち上がり、緩やかに傾斜する機構も快適な使用を約束する。
また、自宅でも会社でもUSB Type-C™️対応のディスプレイを使用しているという永田は、ケーブル1本だけで電源供給から映像出力、オンライン会議まで確立できる「VAIO Z」のユーザビリティにも賛辞を贈る。
「『VAIO Z』は、USB Type-C™️を2つ備えています。ケーブル1本をつなぐだけで、すぐにマルチディスプレイの環境で仕事を始められるのがいいですね。左右に一つずつ配置され、使用する環境によって最適な方を選べることも便利だと思います。世の中はまだ、USB Type-C™️への移行期なのかも知れませんが、自分に限らず、未来を生きるユーザーにとっては最適解だと思います。日本では新規のシステムを導入する際に、すでにある環境にシステムのほうを合わせようとして最適化に失敗するパターンがよく見受けられます。そうではなく、現状の環境そのものをシステムに合わせていく発想が必要ではないでしょうか」
「この世界を変えるためには、いくつか方法があります。ひとつは、法律を変えること。これは、政治家の仕事です。もうひとつの方法として挙げられるのが、技術を変えることであり、人々の認知そのものを変えてしまうこと。ユーグレナとリアルテックファンドの存在意義は、そこにあると思っています。僕は、この世界をよりよい方向に変えていくべきだという責任感で動いています。『VAIO』というブランドも、この世界を変えたいというレスポンシビリティで動いていると感じるのです。だから、響き合うものがある。その象徴とも言える製品が『VAIO Z』だと思います。
この最新の『VAIO Z』を使った誰かが新たな技術を生み出し、その技術がまた新たな『VAIO Z』に搭載される。そうなっていくと面白いですね」
VAIO Z
https://vaio.com/products/Z141special/
ながた・あきひこ◎慶応義塾大学商学部卒。独立系プライベート・エクイティファンドに入社し、プライベート・エクイティ部門とコンサルティング部門に所属。2008年にユーグレナ社の取締役に就任。ユーグレナ社の未上場期より事業戦略、M&A、資金調達、資本提携、広報・IR、管理部門を管轄。技術を支える戦略、ファイナンス分野に精通。現在は副社長COO兼ヘルスケアカンパニー長としてユーグレナ社の食品から燃料、研究開発など全ての事業執行を務めるとともに、日本最大級の技術系VC「リアルテックファンド」の代表を務める。
Promoted by VAIO / 文=國領磨人 写真=後藤秀二 編集=高城昭夫