VAIO × MEDIA

2kg強と軽量で、デスクトップに近い
作業領域を持つ15.6型「VAIO Pro PH」

株式会社アスキー・メディアワークス Ascii.jp ビジネス (2019年06月11日)より転載
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VAIOが新製品を立て続けに発売している。これまで、VAIO Pro 11や13の後継機にあたるVAIO Pro PFやPGといったモバイル正統派を中心に新製品を投入してきたが、それ以外のタイプはなかなか登場しなかった。

それが、昨年の11月にデタッチャブルタイプの12.5インチモバイルVAIO Pro PAが発売されたのを皮切りに、1月には4K液晶も搭載可能な14インチモバイルVAIO Pro PKを発売。そして、4月に15.6インチのオールインワンノートVAIO Pro PHが発売と半年の間に3タイプも新たなモデルが登場したのである。企業としてはどのマシンを導入すべきなのか迷ってしまうが、今回は4月に登場した新製品VAIO Pro PHを紹介するとともに、それぞれどういう仕事に向いているのか考えてみた。

左からVAIO Pro PF、PG、PK、PH。デザインに統一感が生まれて使い勝手も遜色なくなり、用途に合わせて選べる

ようやく「快」を追求した据え置き型大画面ノート

4月19日に発売された「VAIO Pro PH」は「VAIO S15」の企業向けモデルだ。2017年に先代VAIO Pro PHが発売されたが、そのときはまだ、従来のVAIO S15を踏襲した丸みを帯びたデザインで、ビジネスに向けたマシンというよりホームノートを連想してしまった。特に「快」が仕事の生産性を高めるというコンセプトを元にデザインされた「VAIO Pro PF」(11.6インチ)や「VAIO Pro PG」(13.3インチ)も同時発表だったため、よりコンシューマー向けのイメージが残っていた。

「VAIO Pro PH」はブラックとシルバーの2色

あれから1年半、ついにVAIO Pro PFやPGと統一感のあるデザインが採用され、スタイリッシュに生まれ変わったのが、今回の新しいVAIO Pro PHである。オールインワンノートとして、光学ドライブが搭載可能で、15.6インチの大画面は4K解像度も選択できる進化を果たした。

モバイル利用を中心に考えたほかのモデルは、TDP15Wの省電力タイプのUプロセッサーを使用しているが、この製品はデスクトップリプレースを視野に入れた製品であるため、第8世代Core iシリーズの中でも、TDP45W/6コアのHプロセッサーを搭載する。そのため高いCPU性能が求められる用途にも十分対応できる製品といえるだろう。

まずはパフォーマンス面から見ていこう。CPUは従来モデルでは、Core i3を選択できたが、今回のモデルではCore i7-8750H(2.2GHz/最大4.1GHz)とCore i5-8300H(2.3GHz/最大4GHz)の2種類のみとなる。特に上位のCore i7-8750Hは6コア/12スレッドに対応。CINEBENCHなどの結果では、旧世代のHプロセッサー搭載の従来モデルに比べて約1.5倍。さらに、モバイルノートの多くが搭載する、Core i7-8565U(標準状態)との比較では、2倍以上の性能差があるとしている(ただし、同じCore i7-8565Uを搭載する、VAIO Pro PKではCPUを独自チューニングするVAIO True Performanceを取り入れているため、より高速だとしている)。

デスクトップマシンからノートに乗り換えた場合、モバイル系の機種では、ちょっと力不足と感じることもあるが、VAIO Pro PHなら、遜色ないパフォーマンスを発揮することだろう。

消費電力の増加によって、従来より大きい、19.5VのACアダプターとなったが、モバイルではなく、オフィスのデスクに置いたままで使う機会が多くなるので、特に問題はないはずだ。なお、ほかのモデルで採用されているVAIO TruePerformanceのチューニングは適用していない。十分にパフォーマンスが高いというのがその理由だ。発熱に見合った冷却システムを構築するコストと、パフォーマンスの向上を天秤にかけた結果でもある。

ACアダプターは供給電力が高くなったため、サイズが大きくなった

メモリーは4GBから最大32GB、ストレージは第3世代ハイスピードSSD 1TBをはじめ5タイプ、HDDはハイブリッドタイプの1TBなど3タイプ用意され、SSDとHDDのデュアル構成も選択可能だ。システム用にSSD、データ保存用にHDDを利用すれば、価格を抑えつつ、高速で大容量のデータ保存ができる。

第3世代ハイスピードSSDを「CrystalDiskMark 6.0.2」で計測。シーケンシャルリードで3500MB/s超えと非常に高速だ。ストレージ速度はOSやアプリの起動時間に大きく影響する

加えて、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブのほか4K Ultra HD Blu-ray対応のブルーレイディスク・ドライブが選択できる。光学ドライブは不要という考え方もあるが、既存機種を利用している人が妥協せず新機種に移行できる点を重視したとする。ビジネスではまだセキュリティも考えてメディアを使ったデータのやり取りもあるので、マシン選定の重要な要素と言えよう。

光学ドライブをまだ利用する企業も多い。デスクトップマシンの置き換えとして、選択できることは大きい

15.6インチの液晶ディスプレーは、HD、フルHD、UHD(3840×2160ドット/4K)の解像度が選択可能だ。14インチのVAIO Pro PKでも4K解像度の液晶が選択できるようになっているが、一回り画面サイズは大きい。エクセルやCADなどを利用していると、広い作業領域は必須。文字表示もなめらかに見えるようになるので、目の負担も軽減できるだろう。

ディスプレーはスリムベゼルを採用。表示拡大率は300%が推奨だが、写真は175%にしたときの表示

デザイン面では、先述の通りVAIO Pro PF/PGシリーズのデザインを踏襲したことで、スタイリッシュなビジネス向けノートに仕上がっている。やはり、キーボード入力時にチルトアップヒンジによるキーボード面が斜めになる仕様は、打ちやすく手首の負担も軽減され作業効率アップにもつながる。

チルトアップヒンジによってキーボード面が傾斜する仕様はVAIOならでは

フラットアルミパームレストも採用され、剛性感もアップしよりキー入力がしやすくなっている。キーピッチはキーボード部分が19mm、テンキー部分が16mmと変則的になっている。これは、ボディーサイズが約361.4(W)×254.3(D) ×22.0~26.0(H)mmと従来モデルより一回り小さくなっているため。ただキー配列は変わらないので入力に支障はないだろう。キーストロークも1.5mm確保されているため打鍵感も十分ある。

アルミパームレストの採用で剛性感も高くなり、キーボードもタイピングしやすく改善

テンキー部分だけキーピッチが2mm狭くなるが、違和感なく利用できた

タッチパッドは画面サイズにあわせて広くなったので、より扱いやすくなった。

インターフェースは、新たにThunderbolt 3対応のUSB Type-C端子を搭載。USB Power Deliveryによる本体への充電は対応していないものの、ディスプレー出力としても使え、市販のGPUボックスを接続することで、グラフィックスワークステーション化も可能。グラフィックスパワーが必要な場合は導入を検討してもいいだろう。

GIGABYTE製の「AORUS RTX 2070 Gaming Box」。NVIDIA GeForce RTX 2070を搭載

ほかには、HDMI端子、VGA端子、LAN端子、USB3.0端子×3が備わっており、SDメモリーカードスロットも搭載。Wi-FiはIEEE802.11ac対応し、スリムベゼルでもアンテナはディスプレーの上部に配置しており、高い電波感度を誇る。

本体左側にHDMI端子、VGA端子、LAN端子、USB3.0端子、USB Type-C(Thunderbolt 3)端子を備える

本体右側は、光学ドライブとUSB3.0端子×2がある

VAIOはアンテナをディスプレー上部に配置することで、電波感度の性能高めている。机に金属が入っているケースも多く、ボディー付近にアンテナがあると感度が悪くなる

重量は約2.25kgと従来モデルより0.25kg軽くなった。実際に持ってみても意外と軽く感じられ、会議室への移動時に持ち運ぶ程度なら苦にならないだろう。最近は、フリーアクセスを採用している企業も増えてきたが、ACアダプターと合わせて持ち運んで使うのも問題ない。

外付けGPUボックスも接続して性能をチェック

どの程度の性能なのか、ベンチマークを実施してみた。今回お借りしたモデルは、Core i7を搭載し、メモリーは32GB、ストレージは第3世代ハイスピードSSD+HDD 1TB。4Kディスプレーで指紋認証も搭載したハイスペックモデル。また、GIGABYTE製の「AORUS RTX 2070 Gaming Box」を接続して4K出力させたときも合わせて計測している。

まずは「CHINEBENCH R15」。流石にコア数が6つとなり、CPUは1095cbと1000超えを記録。OpenGLは55.53fpsとなった。

「CHINEBENCH R15」のスコア画面。Core i7-8565U搭載モデルでは700cb程度なのでパフォーマンスの差は歴然

続いてグラフィックス性能を見るために「3DMark」の「Time Spy」で計測。さすがに内蔵GPUには荷が重く、461というスコア。もう少し軽い「Night Raid」で計測すると、5701となった。

「3DMark」でDirectX12を使った性能をチェックする「Time Spy」と「Night Raid」での結果

また、アプリを使ったときのベンチマークテストである「PCMark 10」も計測。スコア3929だが、Webやアプリ、表計算などのスコアは高いものの、PhotoやVideoといったグラフィックス性能と直結するスコアが若干低かった。

「PCMark 10」の結果。ビジネスで利用するぶんには十分な性能を発揮

ご覧の通りグラフィックス性能を補う「AORUS RTX 2070 Gaming Box」を接続したときは、一気にこれらのスコアは開花している。使い方は簡単で、Gaming Box に電源ケーブルをコンセントに挿し、USB Type-CのケーブルをVAIO Pro PHに接続。グラフィックスドライバーなどのインストールや初期設定が済んでいれば、特に電源スイッチもなく、USB-Cのケーブルを挿しただけで利用できるようになる。

「AORUS RTX 2070 Gaming Box」をUSB Type-Cケーブルを挿し、電源を供給するだけ

Tunderboltの接続設定ダイアログが現れるので、接続を選択

このように、オフィス内での利用がメインであれば、画面の小さいモバイルノートではなく、VAIO Pro PHのような大画面で高性能なノートを選んだほうが生産性の向上が図れる。作業内容によってGPUボックスを接続することで、デスクトップマシンで作業していたのと遜色なく高度な作業もこなせ、必要に応じて社内で持ち運んで作業も可能。Windows 7のサポート終了がせまってきており、デスクトップマシンはもちろん、オフィス内で使うマシンの買い替えとしておすすめしたいマシンだ。

一方、14インチの大画面で4K液晶搭載可能なモバイルであるVAIO Pro PKは、デスクトップマシンの置き換えとしても十分だが、やはり軽量なことを活かし大画面でモバイルワークをしたい人におすすめ。デタッチャブルタイプのVAIO Pro PAは、営業の新たなツールとしてモバイルワーク中心な人に、王道のVAIO Pro PF/PGはオフィスでも外出先でもオールマイティに使いたい人向けとしていかがだろうか。選択肢が増えたことで、より作業内容にピッタリのマシン選びが可能になったと言えよう。

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