VAIO x MEDIA
独立から3年、安曇野で起きた変化とは?
設計・製造・サポートを一気通貫する強み

BCN Retail Review 6月号 Vol.17(2017年5月29日発行)より転載
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設計・製造・サポートを一気通貫する強み
BCN Retail Review 6月号 Vol.17(2017年5月29日発行)より転載
独立からまもなく3年を迎えるVAIO。社員数1万人を超える大企業から240名弱の中小企業に転じて、試行錯誤の連続だったというが、2年目にして黒字化を達成し、国内PCメーカーとして新たなポジションを築きつつある。品質管理やサポート体制でも、少数精鋭・拠点集約のメリットを生かす。数年来のファンも納得の安心を生み出す“安曇野”で起きた変化に迫った。
家電製品のサポートは設計・製造が別拠点、もしくは同じ拠点であっても担当者同士の意思疎通に時間がかかるというケースが多い。
3年目が間近に迫るVAIOは、独立時にこうした問題に大きくテコ入れをした。品質CS部の佐藤英和部長は、新生VAIOの重要なキーワードになっている「上流設計」という仕組みが、効率的なものづくりにつながっていると説明する。「従来のプロセスだと、商品企画・試作・量産・修理という一連の工程をそれぞれのスタッフが個別に担っていた。現在のVAIOは流れの起点である商品企画に全スタッフが携わる。だから、その後の工程で問題が発生しても、後戻りせずに事態に対応することができる」。
設計・製造・サポートが安曇野という一拠点に集約しているからこそ可能な仕組みは、サポートの品質向上にも貢献している。「修理する際にサポートスタッフだけでは対処できない問題も、設計・製造のスタッフがすぐ近くにいるので、社員一丸で解決に向けて取り組める」(佐藤 部長)。
VAIO 佐藤英和 (品質CS部部長)
サポート内容が製品全体の品質向上につながる場合、即座に設計・製造の工程にも改善の手が入る。上から下に流れるだけでなく、下から上へのフィードバックが頻繁に行われる好循環なフローになっているのだ。
サポート体制以上にソニー時代から変化したのは、「安曇野FINISH」という言葉で表現される品質管理だ。VAIOの全製品は専門の技術者が細分化した50以上のチェック項目を綿密に検査した上で出荷する。例えば、キーボードであれば、全キーを人の手で叩く。「機能はもちろん打感もチェックの対象。技能のすぐれたスタッフにかかれば、ちょっとした違和感も見逃さない」と、佐藤部長は語る。
VAIO Z
品質試験も徹底する。一般的に多くのPCメーカーが実施している落下試験だが、VAIOは床に鉄板を設置、水平に衝撃を与えることで、最大限に苛め抜く。独自の試験も多数設定しており、その基準の高さは国内トップレベルといえるだろう。
販売員の「安心して売れる」、顧客の「安心して使える」を最大限に高めるためにプロフェッショナルの知恵と技術を惜しまないことが、今のVAIOブランドの信頼につながっている。
気温40℃ / 湿度90%の過酷な環境下での試験。ユニークなのはガラス面に穴を空け、手を通せるように実験室を設計していることだ。安定動作するかだけでなく、操作の快適性も検証するためだという。
約90cmの高さから、本体を落下させる。衝撃が最も大きく伝わるよう完全に水平な状態に器具で固定。激突時の音が妙に大きいと思ったら、床面には鉄板を敷いていた。考え得る最悪の状況を想定する。
VAIO 独自の試験。パフォーマンス低下の原因である埃詰まりに対処する目的で発案された。埃が浮遊した空間に放置するだけでなく、あらゆる方向から空気を噴射し、埃詰まりによる冷却機能低下の影響を検証する。
専門スタッフが87 のキーをすべて手で叩く。作業は超高速。本当にチェックできているのか目を疑うほどだが、なんと機能だけではなく打感やキーピッチのちょっとしたズレまで確認しているのだという。
ディスプレイ接合部からパームレストの凹凸まで、「スキマゲージ」と呼ばれる物差しで丁寧になぞるように確認する。機能性だけでなく、モノとしての美しさも追求するVAIO ならではのこだわりを感じた。
VAIO の製造現場には、エンジニアが自ら制作した器具が多数ある。写真は、作業中のマシンに対応するラベルを自動識別する器具。受注生産モデルがメインで、スペックが個別に異なるケースが多いVAIO ならではの工夫だ。
(2017年6月20日掲載)
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※本ページに記載されているシステム名、製品名は、一般に各開発メーカーの「登録商標あるいは商標」です。